Novelbrightに加入した翌年に『Sunny drop』でメジャーデビュー、その年に日本レコード大賞新人賞を獲得し、2022年には夢だった日本武道館ライブも実現。
サクセスストーリーの背景には、圭吾さんの非凡な想像力と実行力がありました。
PROFILE 圭 吾(けいご)
1996年1月4日、岐阜県生まれ。2019年1月、5人組ロックバンドNovelbrightにベーシストとして加入。2020年8月にDigital Song『Sunny drop』でメジャーデビュー、第62回日本レコード大賞新人賞受賞。2022年5月にはMajor 2nd Album『Assort』をリリース。その他、CHRONOIZM代表取締役兼デザイナーとしてアパレルブランドを展開。
コンプレックスを打破する方法は、自分に自信を付けて成功体験を積み重ねる、そのくり返しです。
―まずは、音楽との出会いをお聞かせください。Novelbrightに加入される前はドラマーとして活動されていたとか。
ドラムに触れたのは中2くらい。当時バンドをやっていた兄貴から、割り箸で「ビートってこう叩くんやよ」って教えられて。やってみたらすぐに叩けたんですよ。最初はギターを教わったんだけど、めっちゃムズくて。でも、ドラムはすぐにできたんで、どんどんのめり込みました。この頃から、ミュージシャンとして日本武道館に立つことを夢見ていましたね。
高校生になってからは自分のバンドを結成して、ハートフルスクエアーGにある無料の貸しスタジオで、いろんな学校の学生たちと対バンを組んでライブ活動をしていました。やがて名古屋のライブハウスで活動するようになって、その中でNovelbrightと出会いました。21歳くらいのときです。
―圭吾さんがNovelbrightに加入するきっかけは何だったのでしょう。
初めて会ったのがライブのリハーサル中で、歌ってる雄大の姿を生で見て、「何じゃコイツは!」と衝撃を受けました。もうギラギラ輝いてて、「これがカリスマか」と。その衝撃は今でも覚えていますね。それで、ボーカルに対するコンプレックスに耐えきれなくなって、自分のバンドを解散したんです。そしたら数日後、突然、雄大から電話がかかってきて、これは運命的だと「Novelbrightに入れてほしい」という気持ちを伝えました。それから1年後、ベースが抜けたタイミングで「ベースでどう?」と誘ってくれたんです。
―ベーシストに転身してご苦労もあったのでは。
最初は苦労という苦労は感じなかった。その先ですよね。だんだんベーシストとしての自我みたいなものが生まれてくると、自分の実力のなさとか、歴の短さで他の人と比べちゃうんですよ。年下なのにあきらかに俺より上手いヤツもいて。自分で選んだ道やから全く後悔はしていないけど、悔しい気持ちはたくさんありました。そのコンプレックスを打破する方法は、練習以外にないと思うんですよ。ひたすら練習して、ライブで上手く弾ければ良し。自分に自信を付けて成功体験を積み重ねる、そのくり返しです。
―メジャーデビューから3年、振り返って、ご自身の活躍をどのように感じていらっしゃいますか。
「トントン拍子に進んで、Novelbrightってすごい!」っていう世間の印象と、僕らが内側から見ている印象とはけっこう違って。武道館ライブも初日は客席が少し空いてて、完全に達成感を得られたわけではないんですよ。武道館に立つアーティストってトップアーティストだから、そこと比べたら僕らはまだまだ未熟で、まだまだ先が長いと感じています。「ゲームをクリアしたと思ったら、まだ裏ボスがいた」みたいなメンタルですね。メンバーがそれを一番自覚しているんで、全員、常に焦りながら活動してると思います。
―岐阜での思い出というと、どんなことがありますか。
小1から中3までの9年間はサッカーをしていて、岐阜トレセンというジュニアサッカーチームの選抜メンバーに選ばれ、サッカー選手になることを夢見た時期もありました。
高校になってからは、やっぱりバンド活動が一番の思い出ですね。柳ケ瀬にANTSっていうライブハウスがあって、そこでよくライブをしていたんで、柳ケ瀬商店街ではよく遊んでいました。学校の近くのイオンのフードコートにも友達とよく溜まっていましたね。
―Novelbright、そして圭吾さんご自身の今後の目標は何ですか。
東京ドームでライブをすること。それから、岐阜駅前にある金色の信長像を僕に変えることですね(笑)。
―では最後に、岐阜県の高校生へのメッセージを。
夢のある人はちゃんと追いかけてほしい。けど、僕はアウトローな状態でたまたま成功した希有な例で、僕を参考にすると不幸が生まれると思うんですよね。ただ言えるのは、岐阜でできなかったら東京でもできないんですよ。東京へ行ったら何か変わるということは絶対にない。だから、環境のせいにしないで、今この場で結果を残せることは伝えておきたいです。
もし、夢がない人は勉強してほしい。途中でやりたいことが見つかったときに手遅れになるのが一番辛いことなんで、やりたいことがない人はとにかく勉強して、その分、視野や選択肢を広げてほしいです。