岐阜県大垣市の地名は、江戸期に大垣城下で暮らした武士や町人にちなんだものや、豊かな水資源に関するものが多い傾向にあります。歴史や風土を今に伝える地名がしっかり残っているとも言えるでしょう。「段木」もその一つ。暮らしに欠かせないある物にちなんでいたと考えられています。

 答えは薪(たきぎ)。かつては燃料とする薪用の木材を段木と称していたようです。大垣藩は本巣市の根尾谷などから年貢として段木を集めており、山間地から川に浮かべて運んでいました。台風の時季には大水を利用したともいわれています。「段木」は薪の集積地だったとみられているのです。

 現在は字(あざ)としても残っていませんが、ショッピングモールなどがある大垣駅北側の辺りだったとみられています。「段木」は、今も昔も多くの人やモノが集まるにぎわいのある場所といえるのかもしれません。(濃飛地名民俗研究会「大垣市域 地名と民族の歴史」などを参照)

【答え】つだ