ピーマンの苦みを抑制する仕組み

 ピーマン嫌いが卵で解決できるかもしれない。キユーピーはピーマンの苦みを感じる仕組みを解明し、卵黄がそれを抑制する可能性があるとの研究をまとめた。子どもの苦手な野菜の代表格という汚名返上に期待がかかる。

 舌には苦み成分を取り込む「受容体」が25種類あり、神経を通って脳に苦みの情報を伝達する。25種類の受容体のうち、どれがピーマンの苦み成分「クエルシトリン」を検知するのかは未解明だった。

 研究では、25種類の受容体を入れた細胞をつくり、舌に似た状況を再現した。それぞれにクエルシトリンを加えて反応を調べた結果、受容体「TAS2R8」がピーマンの苦みを認識していることが分かった。

 クエルシトリンと卵黄を混ぜてTAS2R8に加えると、認識する苦みが減ることも判明した。実際に卵とピーマンを食べる試験では、評価する人によって感じ方に差が出てしまう。今回の手法で客観的な変化を確認できたという。

 キユーピーは「ピーマンを食べやすくする調理法、商品の提案につなげていきたい」と説明した。