在英ロシア大使館。3月にモスクワで起きた銃乱射テロの犠牲者を追悼し、半旗が掲げられている=3月、ロンドン(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】英政府は8日、スパイ行為をしていたとみられるロシアの英国駐在武官を国外退去させると発表した。さらに、スパイ行為やサイバー攻撃が続いているとして、ロシアが諜報に利用している可能性がある複数の施設を外交拠点から除外する。

 ロシアの外交関係者の滞在期間を制限するなど、ビザ(査証)の効力に新たな制限を設ける。英政府は同日、ロシア大使を呼び出してこれらの措置を取ると伝えた。

 英国では最近、ロシアのためにスパイをしていたとみられるブルガリア国籍者数人が起訴された。偽情報の拡散防止に取り組むシンクタンクや国会議員へのサイバー攻撃、米英の貿易関係資料の不正入手や漏えいを狙った行為もあったとみられる。一連の行為は、ウクライナ侵攻開始以降に目立ってきたという。