山県市立伊自良南小教諭 原田結花
山茶(さざん)花(か)の花言葉は「困難に打ち勝つ」。「辛い悲しい涙の後にはうれし涙があるからがんばりましょう」。この言葉は、岐阜新聞1面のコラム「分水嶺」の文で、子供の新聞切り抜き帳に赤線が引いてあった言葉です。
本校の6年生鳥澤友結さんは、自主学習ノートに毎日、分水嶺の記事を貼り付けて書き写し、感想を一言書くという学習を続けています。きっかけは、5年生の時の先生のアドバイス。始めたのは昨年の夏から。
家に帰ったら、祖母に新聞をもらい、記事を切り取り、準備し、食卓か部屋で学習を始めるそうです。この学習を続けて良かった点は「文字が早く書けるようになった」こと、「文がよくわかるようになった」ことだと教えてくれました。
この学習の効果の第1は、視野が広がることだと思います。
冒頭の2文は、両方ともコロナの話題について書かれていたものです。食生活の見直し、大学生の就職、秋田の「なまはげ」など、切り口がいろいろありました。
第2の効果は、自分の感想や意見をもつことです。
毎日2行の感想ですが、確かに彼女が新聞を読んだという手応えが感じられます。「私が思いうかべる和食は鮭だけど、ぶり大根もおいしそうです」と書いた11月24日の和食の日。「みんなで集まっておせちをたべられなくなり、いとこと遊びたかったのにコロナのせいで遊べなくて、残念です」と書いた新年の話題。記事と自分の体験を結びつけて感想を書くことは、読んだからこそです。
お母さんは、こんな感想を寄せています。「まず、泣きながら、イライラしながらも、根気強く続けたことをほめてあげたいです。文を読み書くことで、生活の中で話す言葉もかわってきました。彼女自身が身に付けた知識は財産になるので、これからも増やしていってほしいと思います」
あと1カ月で、中学生になる皆さん、自ら学ぶきっかけに、まず、新聞を手に取ってみましょう。あなたの見える景色が変わってきますよ。ウィズスマイル、ウィズニュースペーパー。新聞とともに。