岐阜県恵那市南部で愛知、長野県と接しています。文字通り矢作川の上流にあるので「上矢作」です。

 そもそも地名というものは、その地の環境や歴史などに由来していることが多いものです。しかし「上矢作」は、直線距離で約40キロも離れた愛知県の旧矢作町にルーツがあります。矢作町は、古代の矢作部(やはぎべ)、すなわち木や竹を削って矢を作る人々が多く住んでいた地とされています。その矢作町を流れているので、矢作川。そして、その上流の「上矢作」です。東濃地域南部の愛知県とのつながりの深さも感じられる地名です。

 特定の職業に従事する人が住む地であることを表した地名は各地にあります。当欄でも紹介しましたが、岐阜市には矢入れ具の職人がいたとされる靭屋町や、船乗りが多かった水主町があります。他にも文字通りの米屋町、布屋町、魚屋町、大工町などもあります。

【答え】かみやはぎ