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和楽器バンド、苦境の岐阜和傘支援呼び掛け 演出に使用、ライブ会場に「たる募金」



  • ライブパフォーマンスで岐阜和傘を使う和楽器バンド=8月下旬、横浜市、パシフィコ横浜(撮影・KEIKO TANABE) 
  • 岐阜和傘の後進育成を支援する「たる募金」に協力するファン=岐阜市長良福光、長良川国際会議場 

 伝統の和楽器とロックを融合した楽曲で知られる8人組ロックバンド「和楽器バンド」が、職人の高齢化や新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ岐阜和傘業界の支援に乗り出した。

 存続が危ぶまれる日本の伝統文化産業を支えようと、ライブ会場に募金用のたるを置き、協力を呼び掛ける「たる募金」プロジェクトを企画。これまでに三味線の老舗メーカーと琴の制作工房に計1200万円を寄せた。

 今回は全国28カ所を巡る結成8周年記念ツアーのライブ会場で、岐阜和傘支援のための「たる募金」を実施。11月末の茨城公演まで、各会場やオンラインなどで協力を募る。寄せられた支援金は、岐阜和傘協会などに贈り、後継者の育成に充てられる予定だ。

 ライブの演出で和傘を使うボーカルの鈴華ゆう子さんが、2019年3月に岐阜和傘をオーダーしたことが縁で、今回の支援に結び付いた。12日には岐阜市長良福光の長良川国際会議場で岐阜公演があり、会場に岐阜和傘とたるを設置。来場した山県市の小学6年の児童(12)は「地元の文化を大好きなバンドが助けてくれてうれしい。岐阜和傘がライブで使われるのは誇り」と、お小遣いの一部を寄せていた。

 ツアーでは鈴華さんが手にする2本の特製の岐阜和傘のほか、多数の岐阜和傘が舞台を彩る。鈴華さんは舞台上で「岐阜の伝統文化を背負ってツアーを回っている。皆さんと一緒に感染対策に気を付けて、最後の公演まで歌わせていただきたい」と語り、たる募金への協力を呼び掛けた。

 鈴華さんに岐阜和傘を提供する岐阜市湊町の和傘販売店「和傘CASA」の河口郁美店長は「職人の高齢化、原料の不足など業界の厳しい状況は続いている」、岐阜和傘職人の河合幹子さんは「神事や祭りがなくなって和傘の需要が減り、業界全体にコロナ禍の影響が及んでいる」と話し、今回の支援に感謝。鈴華さんは終演後、「次世代に日本の伝統の楽器や和傘、扇子、刀などの文化をつないでいく懸け橋でありたい」と語った。

カテゴリ: エンタメ 社会