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硬い豆腐「石豆富」白川村の知られざる特産品 村外の若者が継承



 3月に閉店した岐阜県大野郡白川村保木脇の「深山豆富店」を、飛騨市のネット通販会社「ヒダカラ」が事業承継した。先代店主から村の伝統食「石豆腐」や「すったて」の作り方を受け継いだヒダカラ社員の古田智也さん(28)は「先代の思いを継ぎ、多くの人に愛される豆腐を作りたい」と意気込む。10日にプレオープンした店舗には、早速大勢の買い物客が訪れた。

 深山豆富店は、大野誠信(せいしん)さん(74)が2003年に創業。縄で縛っても崩れないほど硬く、濃い豆の味が特徴の「石豆腐」や、大豆をすりつぶした汁料理「すったて」を作り、村内外に多くのファンがいた。しかし、従業員の高齢化や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少。3月31日に閉店した。

 ヒダカラは村のふるさと納税の運営代行をする中で深山豆富店に出合った。今年2月、後継者が見つからず閉店を決めた大野さんから「村の伝統食を途絶えさせたくない」と相談を受け、店名などはそのままに事業を受け継ぐことを提案。高山市出身で6月にUターンした古田さんが承継の責任者となり、大野さんから技術を習い始めた。

 プレオープンしたこの日、古田さんが作った石豆腐が棚に並び、地元住民がうれしそうに買い求めた。大野さんは「勉強熱心な古田君なら、しっかりと引き継いでくれる」とほっとした表情。「口を出し過ぎるとやりにくいだろうから、『分からないことがあったら聞いて』とだけ言って見守りたい」と話した。

 古田さんは「村民からの『継いでくれてありがとう』『頑張って』という声がうれしい」とはにかむ。「大野さんの味に近づけるよう、これからも頑張っていく」と力強く語った。

 今後は週末を中心に店頭で販売し、ネット販売や新メニューの開発なども行っていくという。

カテゴリ: くらし・文化 グルメ 動画