回転蔟の中で繭をつくっている蚕=大野郡白川村荻町、和田家

 かつて養蚕が盛んだった岐阜県大野郡白川村荻町の合掌造り家屋「和田家」(国重要文化財)で蚕が飼育され、観光客らがずらりと並んだ繭に見入っている。

 合掌造り家屋は屋根裏部分の床面積が広く風通しや日当たりもいいことから養蚕に適しており、荻町集落でも1970年ごろまで各家屋で盛んに行われていた。産業としての養蚕は途絶えたが、和田家では文化を伝承しようと6年ほど前から育てて展示している。

 今年は400匹を2回に分けてふ化させた。クワの葉を食べて7センチほどに育った蚕は、厚紙で仕切った棚「回転蔟(まぶし)」に移され、真っ白な繭を作っている。この後、繭ごと冷凍して天日干しし、展示物にする。

 当主の和田正人さん(60)は「今では知らない人も多い、合掌造り家屋と養蚕の関わりを伝えていきたい」と話している。