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町議選「異常事態」3連続無投票 岐南町、転入者多く関心薄い傾向



無投票で当選し、当選証書を受ける町議=羽島郡岐南町役場
無投票で当選し、当選証書を受ける町議=羽島郡岐南町役場

 任期満了(25日)に伴い7日告示された岐阜県羽島郡岐南町議選(定数10)は定数と同じ10人が立候補して無投票で当選が決まり、13日には当選した10人に町役場で当選証書が手渡された。町議選が無投票となるのは2013年、17年に続き3回連続。県内で市町村数が合併により現行の42になった06年以降の市町村議選(補欠選を除く)で、無投票が3回続いたのは初めてで、町民や関係者は"異常事態"として深刻に受け止めている。背景にはコミュニティー意識が希薄な町特有の事情があるようだ。

 「またか」。立候補が締め切られた7日午後5時すぎ、町役場では町選挙管理委員会の職員から落胆の声が漏れた。出馬したのは現職7人、新人2人、元職1人の計10人。当初、11人が出馬の準備を進めていたが、1人が断念した。

 昨年末、改正公職選挙法が施行され、町村長、町村議の選挙でも知事や県議、市長や市議の選挙のように候補者の選挙運動費用の一部を公費で負担する「選挙公営」制度が認められた。岐南町は3月議会で選挙公営に関する条例を制定。選挙運動用自動車のガソリン代や運動用ビラの作成費、ポスターの作成費を町が一部負担することになった。

 「なり手不足の解消を目的に」(町選管)と環境を整えたが、効果は表れなかった。国政選挙や知事選を含め、投票率が県内の自治体の中でも指折りの低さの岐南町。町選管は「若い世代の転入者が多いなどの低投票率の要因が、連続無投票にもつながっているのではないか」と推測する。

 町内の元自治会長の70代男性は「今回は選挙戦になると期待していたが、がっかり。議員の競争原理が働かず、町政の活性化が図れない」と憤る。「新しい住民が多く、コミュニティー意識の希薄さがある。住民の中で町議選は話題に上がらず、地域代表者として応援しようという雰囲気がない」と町の特性を話す。

 13日、当選証書を受け取った現職の町議も「転入、転出の流動が激しく、居住年数が短い町民が多い。町政に無関心な傾向がある」と分析した上で、「自分たちの活動の発信不足が原因でもある」と自省した。

 現在の議員報酬を見ると、岐南町は月額25万円で、同じ羽島郡の笠松町より1万円高い。人口規模が近い不破郡垂井町は23万5千円、岐阜市に隣接し地理的条件が似た本巣郡北方町は24万円で、岐南町が低額というわけではない。

 元町議の小島英雄町長は「転入者が多い町の事情があるとは思うが、3回も無投票が続くのは異常。議会と一緒に改善策を検討したい。町民が町政に関心を持ってもらえるよう努める」と語った。

 06年以降に行われた県内の市町村議選(補選除く)では、加茂郡東白川村(06年、10年)と同郡川辺町(11年、15年)で2回連続の無投票があった。

カテゴリ: 政治・行政