山あいにげたの音が戻ってきた。岐阜県郡上市には八幡町の郡上おどりと並び、白鳥町の白鳥おどりがある。コロナ禍の中止を経て3年ぶりの開催。再び生のおはやしで踊れる喜びを撮った。(デジタル報道部・亀山大樹)

無料クイズで毎日脳トレ!入口はこちら

 

 霊峰白山の麓、郡上市白鳥町はおどりのまち。豊かに流れる水の音は日が沈む頃、げたの鳴る音にかき消される。静かだった通りには夏雲が湧くように人々が現れ、輪を広げていく。

 「明けましておめでとうございます」。時季に似つかわしくないあいさつが、そこここで聞かれる。コロナ禍の中止を経て3年ぶりにかなったおどりの夜。マスク姿でつらそうだが、浴衣姿で、普段着で、老若男女が踊りに没頭する。

 郡上おどりに比べてテンポは速い。地元の中高生たちが踊りの輪の中に小さな輪を幾つもつくり、高速で踊る。江戸期から続く伝統である以上、型を重んじるが、そこから外れて踊りに興じる人々をとがめはしない。白鳥の気風か。

 「ここ2年は夏が抜けたようだった」と白鳥観光協会事務局長の大坪正彦さん(62)。踊りでしか始まらない季節がここにはある。