民家の間にある水路渡って移動するサル=31日午後1時30分、岐阜県瑞穂市稲里(市提供)

 岐阜、瑞穂市の市街地で8月30日朝から翌31日午後にかけて、体長50センチ程度とみられるサルの目撃が相次いでいる。県庁や瑞穂市役所穂積庁舎、朝日大など国道21号周辺で出没し、少なくとも17カ所で情報が寄せられた。県警や瑞穂市によると、現在けが人や農作物などの被害は確認されていない。住宅が多く集まる地域で、9月1日から夏休み明けの小中学校もある中、地域住民は不安を募らせている。

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 「すばしっこくてすぐに逃げてしまったよ」。8月31日午前10時半ごろ、瑞穂市稲里の会社役員男性(79)は自宅の屋根に上るサルを目撃した。自宅にはイチジクや桃などが植わっているが、食べられた形跡はなかった。男性は「この辺りで商売してもう45年くらいになるが、サルを見るのは初めて」と驚いた様子で語った。

 瑞穂市や岐阜南署、北方署によると、サルは30日午前6時15分ごろ、県庁付近で発見されたのを皮切りに、翌31日午後2時20分ごろまでに国道21号中川橋、朝日大、瑞穂市役所穂積庁舎駐車場などで目撃情報が寄せられている。市職員や署員が捜索したが、捕獲できておらず、市は防災無線で注意を呼びかけた。

 1日は、瑞穂市内の小中学校計10校で夏休みが明け、最初の登校日だった。防犯パトロール隊が登下校時間帯、目撃場所付近を中心に市内全域を巡回した。小学生2人の母親(39)=同市本田=は「動物なのでとっさに動くこともある。子どもたちだけできちんと対処できるか不安」と心配そうに語った。

 野生動物の保護管理に詳しい岐阜大応用生物科学部の浅野玄(まこと)准教授(52)によると、元々は山間部にいたサルが川や電線、屋根を伝って市街地に出てきた可能性があるという。山口市では7~8月、サルが住宅街に出没し、60人以上が襲われる被害も発生しており、浅野准教授は「見かけたらむやみに刺激せず、大騒ぎしないように立ち去る必要がある」と話した。