岐阜県は2日、新型コロナウイルス対策本部員会議を開き、医療現場逼迫(ひっぱく)の一因となっている感染者の「全数把握」を継続する一方、陽性者の約8割を占める65歳未満で重症化リスクの低い患者の発生届の入力項目を現状の18項目から8項目に半減することを決めた。3日から運用を始める。古田肇知事は記者会見で「緊急避難的ではなく、今の時点で岐阜県において一番適切と考えるやり方。専門家も医療現場も納得できるのがこの案だった」と語った。
国は医療機関が保健所に提出する発生届の対象を①65歳以上②入院が必要な人③重症化リスクが高い人④妊婦-に限定できる「全数把握の簡略化」を都道府県の判断で行えるよう運用を見直しており、宮城など4県が2日から始めている。
一方、簡略化すれば65歳未満で重症化リスクの低い感染者は年代別の人数だけを集計することになり、保健所が感染者の氏名や連絡先を把握できなくなる。そのため古田知事は、患者のケアや自宅療養支援、急変して治療が必要になった場合の医療費の公費負担などで支障が出ると指摘。専門家会議を開いて対応を協議していた。
発生届で削減する項目は、氏名のふりがなや診断日、届け出時点の入院の有無など。国の指針では発症日(検体採取日)とワクチン接種回数についても削減が可能だが、古田知事は「項目がただ少なければいいというわけではない。いずれも現場を預かる医療機関がこだわったところ。発症日は療養期間の算定に、ワクチン接種回数は重症化リスクの判断に必要だと判断した」とした。
対策本部員会議で伊在井みどり県医師会長は「全数把握をやめることは、全ての陽性者に適切な医療を届けるという医療本来の目的に反する」とし、「全数把握を続けながらも医療現場の負担を軽減できるこのやり方ならば、やれると思っている」と話した。
ただ、国は9月中にも「全数把握の簡略化」を全国一律で導入するとみられる。多くの陽性者の氏名や連絡先を把握できず、容体が急変した患者のケアなども課題となるが、古田知事は「国にはトータルに考えて(新たな制度を)出していただきたい。必要な議論を全国知事会を通じて徹底してやっていきたい」と述べた。








