昨夏豪雨で倒れた神明大杉(岐阜県瑞浪市大湫町)を使った作品づくりに取り組む彫刻家の天野裕夫さん(67)=同町=が、多治見市小泉町のスペース大原で個展に臨んでいる。大杉の材自体は7年前から扱ってきたが、倒れたことで改めてその意味に向き合い、自身の創作を見つめ直した。樹齢670年の古木の生命力に触発され、想像の動物に昇華させた作品約50点を並べている。23日まで。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」天野さんは同町出身。多摩美術大大学院を経て神奈川県で専業作家として歩んできた。3年前帰郷するきっかけとなったのは、保護整備事業で伐採された神明大杉の枝で制作を手掛けたこと。大杉の下で遊んだ記憶がよみがえり、故郷への思いを募らせた。
大湫神明神社の氏子総代になった最初の夏、大杉が突然倒れた。衝撃を受け、偉大な木の存在を生かすのが役目と使命感を持った。保存方法を地域ぐるみで話し合う中で自身の創作も進めてきた。
作品は木や陶のボディーにブロンズ鋳造で脚や頭を付けた牛やイノシシ、竜にラクダ。別の動物の角が生え、背中に小さな象が歩き、よろいと見まがう模様をまとう。異世界のモンスターのようでいて、細部は現実の生き物のありようを具象で取り込み、生命を敬う気持ちにあふれている。
その中で、大杉の材は緻密な年輪やごつごつとした節、枯れて開いた穴など複雑な表情を見せる。「(大杉という)変化しながら生きてきた生命体の形、存在に添って作っていく。自分のイメージを先行させてきたこれまでと違い、シンクロするかんじ。年を取ってうまく乗ることができるようになった」
大杉は根元を立てて保存する事業に加えて、幹を天野さんが彫刻する構想も検討されている。会場で案を紹介している。













