2019年のユニバーシアード代表時の三笘薫選手とコーチとして帯同した小井土正亮さん(右)©JUFA/Reiko IIJIMA
小井土正亮さん

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の1次リーグ最終戦でスペインに勝利し、決勝トーナメント進出を決めた日本。三笘薫選手(25)はここまで全3試合、切り札として試合中盤からピッチに登場。持ち味のドリブルでドイツ、スペイン戦の勝利に貢献した。「感動させてもらい、感謝ですね」。大学時代の恩師で筑波大蹴球部監督の小井土正亮さん(44)=岐阜市出身、各務原高出=は教え子の活躍に目を細める。「役割を全うして、さらに勝利に貢献してほしい」。日本初の8強進出の立役者となることを願っている。

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 小井土さんは2日未明(日本時間)のスペイン戦をテレビで観戦した。三笘選手は後半から出場し、逆転ゴールをアシスト。歴史的な勝利に大きく貢献した。「仮に日本が劣勢でも、三笘がいるからなんとかなると思えるぐらいの期待感を抱かせてくれている」とたたえる。

 2人が出会ったのは、三笘選手が高校3年時に筑波大の練習に参加した時。小井土さんは「他の選手にはない独特の間合いと、ボールタッチがうまかったのをはっきり覚えている」と振り返る。そのセンスには秀でたものを感じていたが、「今みたいに足が速く、ドリブルもパスもできるという完成度はなかった」という。

 三笘選手は大学入学以降も努力を怠らなかった。代名詞とも言えるドリブルは、4年間、誰よりもひたむきに練習に取り組んだ。「自主練習で毎日、誰かしらと1対1をやっていた」といい、「天性のものもあるが、必要と思うことに妥協はなかった。コツコツ取り組み続けた」。卒業論文でもドリブルをテーマに研究するほど向上心は尽きなかった。

 三笘選手は大学入学直後から、将来は海外リーグでのプレーや、日本代表の主力になることを目標に掲げていたという。大学2、4年時にはユニバーシアード日本代表に選ばれ、「三笘は別格というのが大学の同世代みんなの共通認識だった」と小井土さん。実力校集う関東大学リーグでも、その存在はひときわ際立っていた。

 当時から「小さくまとめるのではなく、大きなスケールの選手に育てるのが自分の仕事だと思っていた」と小井土さんは思い返す。現在の活躍を「着実に階段を上っていった結果。たまたまではなく、目指してつかみ取った場所にいる感じがする」。世界から注目される選手に成長しても大きな驚きはない。

 日本が目標に掲げる8強以上へ、あと1勝に迫った。「チームが一つになっていて、諦めなければ何かを起こしてくれそうな期待が持てる。その中で、三笘らしくプレーしてくれればいい。それだけです」。さらなる日本の快進撃を信じながら、教え子の活躍を見守る。

 こいど・まさあき 岐阜市出身。各務原高校から筑波大に進学し、卒業後はJ2水戸でプレー。1年で現役を引退し、その後は清水やガンバ大阪でアシスタントコーチを歴任するなどした。2014年に筑波大蹴球部ヘッドコーチに就任。15年から監督。1978年生まれ。