ALS患者の働き方を提案する恩田聖敬さん

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、サッカーFC岐阜の元社長恩田聖敬(さとし)さん(44)=岐阜市=が、ALS患者の働き方の提案として作詞に挑戦し、曲を募集する取り組みをスタートした。題して「ALS患者は作詞を生業(なりわい)の一つに出来(でき)るのか!? 私の歌詞で実験」。恩田さんが選ぶ大賞に賞金10万円を贈るほか、それぞれの作曲者に動画投稿サイトでの発信を呼びかける。高校や大学時代、合唱に取り組んだ恩田さんは「多くの方が参加することでいろいろなALSの曲ができ、収入につながれば他の患者の道標になる」と示す。

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 恩田さんが社長を務める「まんまる笑店」(岐阜市)が実施。ALS患者が作詞を仕事にできるのかを問いかける社会実験としている。6月21日の「世界ALSデー」に、恩田さんの歌詞に曲をつけた人がそれぞれ、動画投稿サイト「YouTube」に投稿するよう呼びかける。

 恩田さんが作詞した「Anohino Love Song」は、「毎朝起きて再確認する/重力に縛られたこの身体/やっぱり僕は生きた死屍/天井はいつもの白い空」と、自由がきかない体と向き合うALS患者の視点から始まる。大切な人とのささやかな日常を求めながら「なぜ僕は生きてるんだろう?/その答えを見つけるために僕は生きる」とつづり、「けれども僕は/改めて手に入れる/あの日の幸せな日々を―」と結んだ。

 審査対象は日本ALS協会員のみで、応募は5月21日まで。詳細は恩田さんのブログで。申し込みはメール(onda0510@icloud.com)で受け付ける。

「Anohino Love Song」(作詞 ALS聖敬)

毎朝起きて再確認する
重力に縛られたこの身体
やっぱり僕は生きた死屍
天井はいつもの白い空

きみを最後に抱きしめたのは一体いつだろう?
記憶というものは脆く虚ろいやすいものだね

言葉に出来ない 触れることも出来ない
あの日きみに誓った約束は宙ぶらりんのまま
忘れられない 諦めることは出来ない
あの日のささやかな日々を

毎日流れてくるニュース
社会から隔離されたこの身体
問題ありと強く思うけど
もどかしくただ刻だけが過ぎていく

きみと最後に食事したのは一体いつだろう?
記憶というものは切なく哀しいものだね

叫ぶことも出来ない 暴れることも出来ない
あの日きみに誓った約束はどこへ行くんだろう
我慢は出来ない 求めずにはいられない
あの日の幸せな日々を

なぜ僕は生きてるんだろう?
その答えを見つけるために僕は生きる 嗚呼!

言葉に出来ない 触れることも出来ない
あの日きみに誓った約束は宙ぶらりんのまま
けれども僕は 改めて手に入れる
あの日の幸せな日々を―