東京五輪には、過去最多となる12競技に28人の岐阜県ゆかりの選手が出場する予定。23日の開会式には11人が参加し、いよいよ始まる競技に向けた闘志や、周囲への感謝を胸に国立競技場のトラックを踏みしめた。ホッケー女子日本代表で、いずれも各務原市出身の永井友理(29)=ソニーHC=、葉月(26)=同=の姉妹は、1月に亡くなった祖父への思いを抱いて25日の初戦に臨む。「おじいちゃん、私たち頑張るからね」。2人は口をそろえて活躍を誓う。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」試合開始の前に、友理はいつもそっと観客席に目を向ける。「今でもあそこから見てくれていそうで」。地元・各務原市の川崎重工ホッケースタジアムのスタンド中央前列は、今年1月に88歳で亡くなった祖父鈴川千治さんの指定席だった。
ホッケーを始めたころから、どんな小さな試合でも祖父の姿はスタジアムにあった。双眼鏡を手にした祖父の姿を確認し、「よし、やってやろう」と気合を入れるのがいつしかルーティンに。「今はきっと空の上から見てくれている。だからみっともない姿は見せられない」
友理が高校時代、ホッケー漬けの毎日から逃げ出したくなったとき、それを察したように祖父自筆の色紙が贈られた。「一意専心」。目の前のことに集中してほしい、というメッセージとして受け取った。同じく葉月には「最高の勝利は自分を乗り越えること」と。それまでは相手に勝つことだけを考えてプレーしていたが、勝利の本当の意味に気付かされた。友理は「ぴったりの言葉だった。今でも忘れないようにしている」と、いつでも見えるように自宅に飾ってあるという。
数年前から体調を崩し、プレーしている姿を直接見せることは難しくなったが、東京五輪はテレビでの観戦を楽しみにしていた。1年延期で実際に見せることはかなわなかったが、亡くなる2日前に祖父は、葉月に「家族を大事にしなさい」、友理には「友理なら大丈夫」と背中を押す言葉を掛けたという。
「心からやり切ったと言えるくらい全てを出して、『おじいちゃん、やったよ』と声を掛けたい」と姉妹。東京五輪を一番楽しみにしていた祖父が見守ってくれていると信じて、2人はいよいよ、大舞台に臨む。















