佐藤春夫の業績をしのび営まれた「御供茶式」=6日、和歌山県新宮市

 和歌山県新宮市出身の作家佐藤春夫(1892〜1964年)の命日となる6日、遺影に茶を供える「御供茶式」が新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で営まれた。約80人が参加し、没後60年となる文豪の業績をしのんだ。

 式では、詩人でもあった佐藤が詩を朗読する肉声の録音が流れた。境内にある佐藤春夫記念館によると、佐藤は茶を好み、帰郷の際には大社にあった茶室に知人らを招いて茶会を催した。

 記念館は市内の別の場所への移転が決まり、2026年のオープンを目指している。辻本雄一館長(78)は「春夫が残した文学の精神を引き継いでいきたい」と話した。