ディエンビエンフーの戦いの直後に結婚した夫と撮った写真を見せるグエン・ティ・ゴック・トアンさん=4月9日、ベトナム・ホーチミン(共同)
 ベトナム北西部ディエンビエンフーで車に乗るグエン・ティ・ゴック・トアンさん(左)=1954年5月(トアンさん提供・共同)

 【ディエンビエンフー共同】第1次インドシナ戦争でフランス植民地支配を終結に導いたベトナム人民軍の「ディエンビエンフーの戦い」勝利から7日で70年。女性衛生兵として戦ったグエン・ティ・ゴック・トアンさん(94)が取材に応じ「地下壕で一日中、傷病兵の治療に当たった」と回顧。名もなき兵士らが独立に命を懸けた歴史を次世代に伝えることが大切だと力を込めた。

 医大生だったトアンさんが北西部ディエンビエンフー従軍中の1954年。雨水がたまり不衛生な壕に、負傷した兵士数百人が横たわっていた。

 戦争は第2次大戦後の「ベトナム民主共和国」樹立宣言後、フランスが再植民地化を図ったことから勃発した。

 フランス軍はディエンビエンフーに要塞を築き、物量で勝っていた。人民軍は人海戦術で大砲や砲弾を山頂に担ぎ上げて攻撃。運搬した物資は数万トンに上ったとされる。

 トアンさんも夜には30キロ離れた拠点まで歩き、壕まで重さ数十キロの食料を運んだ。無名の兵士や農民の参加が激戦の勝利をもたらしたと強調した。