あごひもにセンサーを取り付けたヘルメットを着用した「きいちのメモ」代表の守屋輝一さん=3月、東京都世田谷区

 自転車ヘルメットの着用が全年齢で努力義務化されてから4月で1年が経過したが、着用率は伸び悩んでいる。死亡事故などの防止に効果が期待できるため、スタートアップ(新興企業)をはじめ各社は技術を活用したり、ヘルメットのデザインに工夫を凝らしたりして着用を後押ししている。

 社会の問題解決に取り組むスタートアップの「きいちのメモ」(東京都)は、子どもの着用率を上げようと、ヘルメットをかぶらないと鍵が差し込めず走り出せない、鍵穴カバーとセンサーのセット「カギボー」を発売した。

 ヘルメットをかぶるとあごひもに取り付けたセンサーが感知。無線通信で連動した鍵穴に付けたカバーが開き、鍵を差し込めるようになる仕組み。価格は19980円で専用サイトから注文できる。代表の守屋輝一さんは「ヘルメットをかぶることを当たり前にしていきたい」と語る。学習塾との連携も模索する。

 警察庁によると2023年までの5年間で、着用しない場合の事故時の死亡割合は、着用時と比べ約1・9倍に上る。