高市早苗首相が28日の日米首脳会談で、ロシアから液化天然ガス(LNG)の輸入を当面継続する意向を伝達したことが、29日分かった。政府関係者が明らかにした。米国はロシアへの経済制裁を強めるため、日本にロシア産エネルギーの輸入停止を要望していた。輸入を止めた場合、国内の電力供給に支障が出る恐れもあり、米側に取引継続の必要性を伝えたもようだ。
日本がLNG調達に充てる巨額の費用が、ロシアのウクライナ侵攻継続を支えているとの批判は根強い。ベセント米財務長官は15日に「ロシア産エネルギーの輸入停止を期待している」と日本側に伝えた。欧州連合(EU)は、ロシア産LNG輸入を2026年末までに全面停止する。
ロシアからLNGを調達する東京ガスの笹山晋一社長は29日の記者会見で「ただちに供給上の問題があるとは思っていない」と述べ、輸入は当面継続できるとの見方を示した。
日本の24年のLNG輸入はロシア産が8・6%に上り、主に火力発電や都市ガスに使われている。極東サハリンの開発事業「サハリン2」が全量を占める。









