オーストラリア西岸のフリマントルを出港し、観測船「しらせ」の甲板で見送りに来た人たちに帽子を振る隊員ら=8日(南極観測隊同行記者撮影)

 【フリマントル(オーストラリア西部)=南極観測隊同行記者】第67次南極地域観測隊63人を乗せた観測船「しらせ」が8日、南極へ向けてオーストラリア西岸のフリマントルを出港した。

 「がんばってくるよ」。まぶしい夏の日差しに照らされた飛行甲板で、観測隊員たちは手にした帽子を大きく振って、見送りに来た家族や関係者たちに別れを告げた。妻と三男が見送りに来た医療隊員の北郷実さん(57)は「好きなことをやらせてくれて家族に感謝しています。五感を奮い立たせて南極を感じてきます」と話していた。

 「しらせ」はまず、南極大陸の東側にあるトッテン氷河の沖を目指す。周辺では氷床の減少が注目されている。