少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜新聞デジタルは岐阜県内各校の校長らトップにインタビュー。今回は斐太高校(高山市)の中村浩一校長(59)に聞きました。飛騨有数の進学校として知られる同校ですが、生徒の可能性を高める手段として探究学習にも力を入れているといいます。DXや生成AIの取り組みも最先端。伝統の中に新しい技術や考え方を柔軟に取り入れています。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
斐太高校 所在地は高山市三福寺町。県立全日制普通科単位制。1886年開校、岐阜県内で2番目に歴史のある公立高校。「斐太」は「飛騨」と漢字が定まる前の表記で、万葉集に記載されている。愛称は「ひこう」。校歌は県内で最も古い。卒業式の後に行われる白線流しが有名。
―斐太高校の特徴は。
本校の校訓は「切磋琢磨(せっさたくま)」と「確乎不抜(かっこふばつ、意志がしっかりして動じないこと)」。特に「切磋琢磨」が生徒、卒業生の心に刻み込まれている。来年創立140年を迎える。
飛騨のリーダー校という位置付けであるからこそ、井の中の蛙(かわず)にならないことが大事だと考えている。
他地区だとまわりに高校が多くあり、学校間の刺激がある。本校生徒は勉強に部活に一生懸命取り組んでおり、校内の切磋琢磨はあるが、地域内の学校数は多くない。昔と比べて情報を得やすく、外の世界との接点も増えてきている。自走するベクトルをどこに向けていくか、校内だけにとらわれず、校外を意識することを大切にしたい。
なかむら・こういち 教科は地歴公民で、高山市出身。県の環境生活部県民文化局文化伝承課課長補佐兼伝統文化係長、益田清風高校教頭、斐太高校教頭、坂下高校校長などを経て2023年度から現職。斐太高校は母校でもある。
―来年140周年。長い歴史がある。
ユニークな先生方がいた。私の在学中、印象に残っている世界史の先生は、ヨーロッパの出来事とクラシック音楽との関係やそのドラマを伝えてくれたり、国際状況を見定めながら国の外交政策を思い切って変化させる知恵など、新しい知識を伝えてくれた。一度テストのクラス平均点が悪かったことがあった。叱られるものだと思っていたら、...









