ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏=1月、カラカス(ロイター=共同)

 【オスロ共同】ノーベル賞委員会の補佐機関ノーベル研究所(ノルウェー・オスロ)は9日、同日午後1時(日本時間同午後9時)にオスロで予定されていたノーベル平和賞受賞者の記者会見が中止になったと明らかにした。今年はベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)が選ばれていた。

 受賞者の記者会見は例年、10日の授賞式の前日に開かれる。マチャド氏は強権的な反米左派マドゥロ政権の迫害から身を守るためにベネズエラ国内で身を隠してきたが、授賞式出席のため「オスロに行く」と表明。ただ、ノーベル研究所はオスロ入りの方法や到着時期は明らかにできないと説明した。

 AP通信によると、本人が授賞式などに出席すれば、公の場に姿を見せるのは1月以来初めてとなる。

 マチャド氏は弾圧に屈せず強権的なマドゥロ政権に抵抗し、反政権運動を展開してきた。当局の捜査対象となり、国外渡航が原則禁止されている。出国すれば逃亡と見なされ、帰国時に拘束される恐れがあるため、授賞式出席は困難とみられていた。