アイヌ民族が通っていた北海道内の小学校の戸籍簿とみられる文書が、LINEヤフーが運営する「ヤフーオークション」に出品されていたことが11日、同社などへの取材で分かった。商品紹介のページでは少なくとも数日間、氏名などが閲覧でき、曽祖父の名前が載っていたアイヌの40代女性は「自分がアイヌと言えない人がいる中で、生活が危ぶまれる」と訴えた。
文書は表紙に「旧土人戸籍写 豊栄尋常小学校」と記され、7日に6万3千円で落札された。ページでは、児童や家族と思われる氏名や生年月日などが閲覧できた。同社は女性らから連絡を受け「出品禁止物となっている個人情報や証明書等に該当する」として9日にページを削除。出品者と落札者のやりとりに介入する権限がないとして、文書の行方は明確にしていない。
アイヌと和人の歴史に詳しい北海道大の谷本晃久教授によると、同校は「旧土人」とされ差別的な扱いを受けたアイヌを対象に、全道的に設立された学校の一つ。








