南シナ海の領有権を巡る対立を背景に、在フィリピン中国大使館が声明で、両国関係が深刻に悪化すれば「数百万の雇用が失われる」と警告し、フィリピン側の反発を呼んでいる。中国側は経済的貢献の大きさをアピールし、意向次第で大損害を与えられると示唆。経済を外交圧力の武器にする中国の姿勢が対フィリピンでも鮮明化した形だ。
声明は2月中旬、中国大使館のX(旧ツイッター)に報道官名で投稿された。南シナ海を巡る批判の応酬の中で、中国大使の国外退去を求めるべきだと一部の上院議員が訴えたことを非難。関係が悪化すればフィリピンで雇用や収入が失われるとし、「上院議員らは損失を補償できるのか」と挑発した。
声明を受け、フィリピン外務省は、経済協力を交渉材料や報復手段に利用しようとするかのような中国大使館の対応に「強い異議を唱える」と表明した。
フィリピン側には、外国からの投資のうち中国の占める割合は新型コロナウイルス禍を経て縮小し、中国の動向が雇用へ与える影響は限定的だとの見方もある。(マニラ共同)




