探査機はやぶさ2が日本時間の5日午後6時半ごろに撮影した小惑星トリフネの画像(JAXA、東京大、千葉工業大、東京科学大、産業技術総合研究所、パリ天文台、カナリア天体物理研究所提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、探査機はやぶさ2が小惑星トリフネの近くを高速で通過しながら観測する「フライバイ探査」の結果を公表した。トリフネの中心から約744m、表面からは約400mの距離を通過し、これまでのフライバイ探査で最も近かった。

 JAXAは、小惑星が地球に衝突する危険に備える「プラネタリーディフェンス(地球防衛)」の観点でも、探査機を衝突させて軌道を変える技術の獲得につながったと説明。フライバイ探査専用ではない探査機で成功したことから、小惑星の「緊急調査」の実証にもなったとした。

 今回、中国の探査機による小惑星表面から770mという接近記録を大きく更新した。トリフネ中心から約800mを通過する計画だったが、ややずれが生じ、結果としてより近づいた。JAXAの三枡裕也運用チーム長は記者会見で「非常に良い軌道誘導の精度だった」と評価した。

 はやぶさ2は日本時間の5日午後6時30分00秒に、地球から約1億キロ離れたトリフネの至近距離を秒速約5・3キロ(相対速度)で通過した。