名古屋市のポーカー店で店長を務めていた井上遥樹さん=当時(25)=の自死を巡り、母親の里恵さん(61)が長時間労働や上司からの暴行が原因だとして、遺族補償給付を不支給とした労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は16日、業務との関連性を認め、処分を取り消した。
判決によると、井上さんは2020年10月、上司から1分弱で7回以上蹴られたり、たたかれたりした。同月に70時間を超える時間外労働(残業)があり、翌11月に自死した。遺族は21年4月、名古屋東労基署に遺族補償給付を請求したが、同10月に不支給とされた。
松田敦子裁判長は判決理由で、長時間労働と暴行によって適応障害を発症したと認定。「判断能力が著しく阻害され、自死に至ったとみるのが相当」とし、不支給は違法と判断した。
里恵さんはポーカー店運営会社や上司らに損害賠償を求める訴訟も起こし、地裁は今年3月、計約1億円余りの支払いを命令。被告側が控訴している。
会見した里恵さんは「会社や国は安全な労働環境を整備してほしい」と話した。






