国内外の有識者との議論を通じ「5本の樹」計画の可能性を発信

2026年10月8日
積水ハウス株式会社

25年間の実績と生物多様性の測定・可視化に関する知見を紹介

 

 積水ハウス株式会社(以下、当社)は、2026年7月14日(火)、15日(水)に熊本城ホールで開催された「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」(以下、本サミット)本会議に、プラチナパートナー企業として参加しました。*¹

 当社は、今年25周年を迎えた「5本の樹」計画について、パネルディスカッションへの参加やサイドイベントへの登壇を通じて、累積植栽本数2,143万本の実績や科学的な効果検証、生物多様性可視化提案ツール「5本の樹」コンパスを紹介し、住まいの庭から都市の自然をつなぐ取り組みを国内外に発信しました。

 

 

 本サミットには、企業、政府・自治体、国際機関、金融機関、研究者、市民社会など、国内外から約2,700名*²が参加し、自然損失を止め、回復軌道へと転換するネイチャーポジティブの実現に向けた議論が交わされました。さらに、参加組織の合意のもと、ネイチャーポジティブな未来の実現に向けた「熊本宣言」が採択されました。当社は、自然資本を価値創造の基盤として捉え、科学的根拠に基づく評価・測定を通じて、事業活動と生物多様性の保全・回復を両立させるという考え方に共感し、熊本宣言の趣旨に賛同して、署名しました。

 

 

 7月15日には、全体会のパネルディスカッション「ネイチャーポジティブをどう測るか」にて、当社 環境推進部長の井阪が登壇しました。ネイチャーポジティブへの貢献を、科学的根拠に基づき、実務で活用できる形で測定・可視化する重要性について議論が行われました。当社からは、建設業が多くの自然資本に依存していることを踏まえ、自然劣化による事業リスクを把握・軽減する取り組みとして、木材調達方針・ガイドラインの策定と運用や、サプライヤー調査、現地調査を通じた持続可能な木材調達を紹介しました。

さらに、自然へのマイナス影響の低減にとどまらず、その再生・回復に貢献する取り組みとして、地域の在来樹種を中心とした庭づくりを進める「5本の樹」計画を紹介しました。同計画で蓄積したデータや外部研究機関との共同検証による生物多様性保全の実績に加え、植栽データと生態系ビッグデータを活用し、都市の生物多様性の保全・再生効果を定量的に評価・可視化する「5本の樹」コンパスにより、より効果的な取り組みにつなげていく考えを示しました。

 さらに、複数のサイドイベントにも登壇し「5本の樹」計画による都市における緑地の質とつながり、自然資本の保全・回復と企業活動の関係など、さまざまな視点から在来樹種植栽による生態系ネットワーク形成への貢献可能性について発信しました。

 同時開催された展示会「NATURE TECH!」では、会期中の延べ来場者数が14,000人を超える中 *³、当社は「5本の樹」計画の展示を行いました。25年間の歩みや累積植栽本数2,143万本の実績、ネイチャーポジティブへの貢献、本サミットに合わせて公開した「5本の樹」計画の成果をまとめたホワイトペーパーを紹介しました。

 

 

 今回のサミットでは、企業による情報開示にとどまらず、自然への影響をどのように測り、事業や投資の意思決定に反映し、具体的な自然再生につなげるかが主要なテーマとなりました。科学的根拠に基づきながら、実務で活用できる評価指標や測定手法を確立することの重要性も共有されました。

 

 当社は今後も、「5本の樹」計画を通じて住宅の庭から都市の自然をつなぎ、人と生きものがともに豊かに暮らす社会の実現を目指します。また、25年間にわたり培ってきた庭づくり・まちづくりの実践知と科学的知見を国内外へ広く発信し、多様なステークホルダーとの共創を通じて、ネイチャーポジティブの社会実装に貢献してまいります。

 

*¹ 14日(火)、15日(水)本会議(開催場所:熊本城ホール)、16日(木)エクスカーション(熊本県内)

*² *³ 2026年7月15日時点。主催者発表。

 

■グローバル・ネイチャーポジティブ・サミットとは

自然損失を食い止め、回復へと反転させるネイチャーポジティブの実現に向け、企業、金融機関、政府・自治体、国際機関、研究者、市民社会など、多様な主体の対話と協働を促進する国際会議です。

第2回となる「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」は、Nature Positive Initiativeと国際自然保護連合日本委員会が主催し、2026年7月14日から16日まで開催されました。2026年10月にアルメニア・エレバンで開催予定の生物多様性条約第17回締約国会議、COP17を見据え、企業や地方政府などによる具体的な行動の加速を目的としています。

公式サイト:GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026

 

■「5本の樹」計画とは

「5本の樹」計画は、積水ハウスが2001年から推進している、生物多様性に配慮した庭づくり・まちづくりの提案です。“3本は鳥のために、2本は蝶のために、地域の在来樹種を”という思いを込め、日本の原風景である里山を手本に、地域の気候風土や鳥、蝶などと相性の良い在来樹種を中心とした植栽を提案しています。

一つひとつの庭を「点」として捉えるのではなく、街の中で「線」につなぎ、さらに地域の自然と「面」でつなげることで、都市における生態系ネットワークの形成と生物多様性保全への貢献を目指しています。2026年3月に取り組み開始から25周年を迎え、累積植栽本数は2,143万本に達しました。

公式サイト:積水ハウスの「5本の樹」計画

 

■「5本の樹」計画ホワイトペーパーについて

「5本の樹」計画の開始25周年を機に、これまでの歩みと成果、生物多様性への効果、社会的価値をまとめたホワイトペーパーを、2026年7月14日から公開しています。

ホワイトペーパーは、一般向けの「essential guide」と専門家向けの「technical report」、およびそれぞれの英語版を含む全4種類です。一般向け版では、鳥や蝶に着目する理由、在来樹種が生きもの同士のつながりを育む仕組み、庭から広がる緑のネットワークなどを、暮らしに近い言葉で紹介しています。専門家向け版では、鳥と蝶を指標生物とし、種分布モデルやAOH(Area of Habitat:生息地面積)を用いて、「5本の樹」計画による生物多様性の再生効果を科学的かつ定量的に検証しています。

詳細:「5本の樹」計画25年間の成果をまとめたホワイトペーパーを公開

 

■「5本の樹」コンパスについて

「5本の樹」コンパスは、積水ハウスと株式会社シンク・ネイチャーが共同開発し、2024年6月に試験運用を開始、2026年4月から全国で実装を開始した 、生物多様性可視化提案ツールです。

建築地の住所や提案する樹種数などを入力すると、シンク・ネイチャーが保有する生物多様性ビッグデータを活用し、その地域で生物多様性保全効果が高い樹種の組み合わせを抽出します。呼び込むことが期待される鳥や蝶なども表示し、設計段階から植栽による生物多様性保全効果を可視化できる点が特長です。

地域ごとの生態系に適した「緑の質」を高め、お客様にとって分かりやすく、科学的根拠のある植栽提案につなげることで、住まい手の豊かな暮らしとネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みに貢献します。

詳細:積水ハウスとシンク・ネイチャー 生物多様性可視化提案ツールを共同開発