ノーベル平和賞に決まったナバネセム・ピレイ氏(85)は国連人権高等弁務官だった2010年に来日し、アイヌ民族や在日コリアンなど、マイノリティー差別の当事者らと面会した。会合に参加した非政府組織(NGO)「反差別国際運動」の小森恵事務局長代行は「深刻化する人種差別や分断を解消すべきだという世界への大きなメッセージになる」と喜んだ。

 小森さんによると、会合は日本の差別問題を聞き取ることが目的だった。ピレイ氏は当事者の訴えに真摯に耳を傾けていたといい「国連の高官という立場ではなく、個人として差別はあってはならないという確信を持っていると感じた。非常に勇気づけられた」と振り返った。

 会合には埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された狭山事件で無期懲役が確定し、冤罪だと訴えていた石川一雄さん=25年に86歳で死去=も参加していた。

 ピレイ氏は横田早紀江さん(90)ら拉致被害者家族とも会って話を聴いた。早紀江さんはノーベル平和賞決定の知らせに「力添えしてほしい」と期待した。