「岐阜を姫の聖地に!」

 岐阜大の学生を中心とする濃姫まつり実行委員会が、岐阜の特産品である枝豆と、岐阜にゆかりのある織田信長の正室、濃姫をモチーフにした土産菓子「塩枝豆パイ 濃姫の貢ぎ物」を開発した。3月の発売開始以降、JR岐阜駅内の売店や岐阜近郊のサービスエリアなどで好調な売れ行きといい、実行委の庄司心優さん(20)=岐阜大3年=と松岡紘皐さん(21)=同=に商品に込めたこだわりを聞いた。

 商品は、枝豆のペーストをパイ生地に練りこんで作られ、甘さとほんのり香る枝豆の風味、そして絶妙な塩気が特長。着色料を使用していない素材の色合いを生かしたパイで、定番の土産菓子同様にお茶やコーヒーとの相性はもちろん、なんとビールにも合うという。「甘じょっぱい味わい」で甘いものが好きな人だけでなく、だれに渡しても喜ばれる「ありそうでなかったお土産」として、岐阜土産の新定番となりそうだ。

 開発した「濃姫まつり実行委員会」は学生を中心に60人ほどが所属する団体で、毎年春に岐阜市内で、岐阜を「姫の聖地」にすることを目指し、濃姫まつりを主催している。庄司さん、松岡さんらの学生メンバーが昨年、まつりの協賛依頼のために、洋菓子メーカーの「ヴィラジュニシムラ」(滋賀県)に、同祭についてプレゼンテーションしたところ、同社の犬飼直利専務取締役が、学生の岐阜の文化発信にかける熱い思いに胸を打たれ「一緒に商品を作りたい」と菓子の共同開発をオファーした。

枝豆の産地、岐阜

 岐阜らしさを詰め込んだお土産をつくるために動き出したプロジェクト。まずは味を決めることから始まった。当初はほかの風味も候補に上がっており、複数のサンプルを試食した結果、塩枝豆味が選ばれた。
 続くパッケージ決めが難航したといい、観光客が土産物売り場に滞在する短い時間で選んでもらうためのデザインになるようアイデアを出し合った。庄司さんは「一瞬で選んでもらうためにはインパクトがないといけない。でもありすぎても敬遠されてしまうと悩んだ」と話す。包装のイラストはメンバーがアイデアを出して方向性を決め、食品パッケージを手がける「大鹿印刷所」(大野町)が仕上げた。
 濃姫のシルエットが描かれたバージョン、濃姫の表情が異なるバージョンなどさまざまなイラストが描き起こされ、話し合いは白熱。昨年9月から4か月の議論を経て、今年1月にパッケージが決まった。

 パッケージの濃姫の顔は、実は「人間が美しいと感じる比率」とされるフィボナッチ数列に基づいた黄金比に沿って設計されている。見飽きないデザインにするためにメンバーが提案した。

 箱の中にも仕掛けがある。箱内側の仕切りには「がばり」「ちゃっとする」など岐阜弁が描かれており、パイを食べると標準語での意味が書かれている。記載した岐阜弁は、実行委員会メンバーが「これは他の地域の人に驚かれるだろう」というものを厳選した。お土産で持って行った県外の人とも盛り上がれそうな、手に取るたびにわくわくする仕組みを取り入れた。

 若者のアイデアが詰まった「塩枝豆パイ 濃姫の貢ぎ物」。愛知県出身の松岡さんは「岐阜で学ぶまで、枝豆が名産であることを知らなかった。県外の人にも知ってほしい」と語り、庄司さんは「岐阜と言えば濃姫、そして枝豆というイメージが広まってほしい。いずれは定番のお土産になれば」と笑顔を見せた。

塩枝豆パイ

枝豆のペーストをパイ生地に練りこんで作られ、甘さとほんのり香る枝豆の風味、そして絶妙な塩気が特長。着色料を使用していない素材の色合いを生かしたパイ。

1,080円(税込み、送料別)