奨学生座談会(2023年度の様子)

 第8期の2023年度は10大学の計31名の学部生を奨学生に決定し、7月初旬に奨学金を給付。同月18日に、7大学の奨学生代表者が出席して、岐阜市橋本町の岐阜放送などで奨学生決定証書授与式と座談会を開催しました。

決定証書を受け取る奨学生ら=岐阜市橋本町

 杉山涼子理事長 座談会の機会に、互いに交流を深めてもらえるとうれしいです。皆さんの自己紹介をお願いします。

 左合将也さん(岐阜大応用生物科学部4年) 研究室に配属され、研究活動を中心に頑張っています。自分で研究の課題を見つけたり論文を読んだりしています。いま研究している内容は、再生医療にも使われる神経幹細胞です。将来は経験と知識を生かして、再生医療の研究に関わる仕事を目指しています。 

 高木凪沙さん(岐阜聖徳学園大3年) 体育の教員を目指しています。今のところは小学校の教員になろうと考えています。体を動かすことが好きです。体を動かす楽しさを子どもたちに知ってもらいたいです。秋に教育実習が小中学校であります。それに向け模擬授業をしています。学生同士で授業の組み立て方とか学んでいます。

 久保寺眞琴さん(岐阜女子大学文化創造学部4年) 観光について学んでいます。国内旅行業務取扱管理者の資格を取り、デジタルアーキビストと学芸員の資格取得を目指しています。卒業論文で関市の刃物を取り上げ、地元との関わりや観光との結びつきについて書きたいです。

 武田紗香さん(岐阜協立大経済学部3年) 経済学を学ぶうちに、会計や金融に興味を持ちました。これまでに日商簿記2級や3級FP技能士などの資格を取得しました。大学で行事の企画や運営をする学生会で、会計補佐として部活動の資金をやりくりしています。

 渡邉しほ梨さん(中部学院大人間福祉学部3年) 大学では福祉について学んでいます。地域で、さまざまな立場の視点に立てる大人になりたいです。障害がある人や高齢者、子どもなどの視点に立てる大人です。学校にはパイプオルガンがあり、きれいな音色を奏でます。
 
 T・Sさん(東海学院大健康福祉学部2年) 将来は管理栄養士を目指しています。そのために知識を深めたいです。多くの人に手に取ってもらえる商品開発に携わりたいと考えています。これから多くのこと学びたいです。

 田中璃々桃さん(朝日大経営学部経営学科1年) 高校で経営について学んでいて進学先を決めました。1年生で、夢はまだはっきりとしませんが、人と接する仕事につきたいです。多くの人の力となってりたいです。学業と部活を両立させていきたいです。

互いに語り合う奨学生たち=岐阜市橋本町

 杉山理事長 スポーツを、ハンドボールは高木さん、ホッケーは田中さんがやっているそうですね。ほかに何かやっている人はいますか?

 武田さん 私は美術部でした。

 渡邉さん 私はバトンをしていました。

 杉山理事長 皆さん、それぞれに得意なものがありますね。

 久保寺さん 小さいとき茶道をしていました。

 T・Sさん テニスを小中学生のときしていました。軟式、硬式とも経験があります。

 左合さん 高校のとき陸上をしていて、東海大会に出場しました。三段跳びです。もともと跳躍をしていて、先生のすすめで2年生から三段跳びを始めました。

 杉山理事長 高木さんに聞きたいのですが、ハンドボールの面白さはは、どんなところにありますか?

 高木さん ゴールを決めたときが一番楽しいです。30分間走り続けなければならないのは大変です。

 杉山理事長 厳しい練習を乗り越えてこそですね。田中さん、ホッケーはいかがですか。

 田中さん 試合中のコミュニケーションが上手にとれるとうれしいです。ゴールだけでなくアシストも重要です。試合中走り続けなければいけないのは、ホッケーも同じです。

奨学生に話しかける杉山涼子理事長(中央)=岐阜市橋本町

 杉山理事長 夏場の暑いときなど、大変ですね。続いては、皆さんが質問し合いましょう。まずは武田さんからお願いします。

 武田さん 久保寺さんへ聞きます。資格取得に向けた勉強のモチベーションをどう維持していますか。

 久保寺さん 「1日に何時間」と決めてしまうと、無理なときがあります。私は隙間の時間を活用しています。授業の空きコマや、15分だけ時間が空いたときなどです。今はスマートフォンでも学ぶことができます。また、同じ資格の取得を目指す友人と、互いに問題を出し合うこともあります。これは、ゲームのように楽しみながら、互いの学びにもなります。

 武田さん 楽しんで勉強することが大切ですね。ありがとうございます。

 久保寺さん 私からは、渡邉さんへ。(参加者に配付した資料に)サマースクールとありますが、どういうことをしたのですか?

 渡邉さん サマースクールは、昨年2年の夏休みのときです。岐阜、愛知県の大学生が集まり、岐阜県に就職したいひとに向けて岐阜を知ってもらいたいと行われたものです。美濃市を舞台にして、空き家の活用やドローン体験など、案を出し合ってグループ発表するグループワーク形式でした。さまざまな大学の学生と交流できて貴重な体験でした。
 私からはT・Sさんに聞きます。商品開発を目指している聞いて、すごいと思いました。私はコンビニの菓子を取るのが好きです。自身で気に入っている商品はありますか?

 T・Sさん 主食には「太る」というイメージがつきまとってしまいますが、米を代替したものに興味があります。また、各務原にんじんを使った商品開発から、規格外の農産品の活用にも関心があります。農産物として出荷するのではなく、メニューとして提供できれば、大きさの規格などの問題がなくなります。規格外のものを形を変えて販売することに関心を持っています。

 渡邉さん 管理栄養士になれる課程が自分の大学にはありません。すごく勉強になりました。

 T・Sさん 私からは高木さんへ。高校のとき、部活で全国大会に出場したと聞きました。子どもたちに教えるのに、運動が苦手な子には、どう声かけをしたらいいのでしょうか。

 高木さん 最近の体育の授業は、全員で運動を楽しむことに焦点が移っています。大学のゼミでも、運動が苦手な子どもに対するプロジェクトをやっています。スポーツテストで低い評価の小学3、4年生を集めて、大学生とペアを組んでもらい、体を動かすことを好きになってもらうという取り組みです。できる、できないではなく、一緒に楽しもうということに重点を置きます。過程を工夫して 声かけも「頑張れ」だけではなく、段階を踏んだ目標を達成できたら褒めるという形がいいのでは。
 私からは田中さんへ聞きます。部活動のあとの勉強は大変だと思います。どうモチベーションを保ちますか。

 田中さん 私は、部活動を理由にして勉強ができないというのが嫌で、空き時間に進めています。後回しになってしまうときでも、少しでも進めるようにしています。少しだけでも進めようと勉強を始めると、気がついたら集中して進んでいたこともあります。
 私からは左合さんへ。大学生活で、これはしておくといいということはありますか?

 左合さん 私の学部では途中で二つのコースに分かれるのですが、入学したときにはどちらのコースを選ぶか決めていませんでした。さまざまな授業を受けたり、大学での行事に参加したりしました。将来をすぐ決めなくても、視野だけは広げておいて、何にでも対応できるようにするといいのではないでしょうか。
 私からは武田さんに質問です。行事の企画運営は、どのようなことをするのですか?

 武田さん 岐阜協立大では5月に「五月祭」というイベントがあります。ゲームやバーベキューといった内容です。秋の学園祭は大きな規模で行います。ぜひ来てください。

 杉山理事長 学生会の会計は何人で担っているのですか?

 武田さん 私を含め2人です。

 杉山理事長 ありがとうございました。暑い日が続きます。健康にだけは気をつけてください。

本年度の奨学生たちと行った座談会=岐阜市橋本町


座談会主席者は次の皆さん。

〈岐阜杉山記念財団〉
杉山涼子理事長(岐阜新聞社社主・代表取締役)

〈奨学生〉
左合将也さん 岐阜大応用生物科学部4年
久保寺眞琴さん 岐阜女子大文化創造学部4年
渡邉しほ梨さん 中部学院大人間福祉学部3年
高木凪沙さん 岐阜聖徳学園大3年
武田紗香さん 岐阜協立大経済学部3年
T・Sさん 東海学院大健康福祉学部2年
田中瑠々桃さん 朝日大経営学部経営学科1年