週末は利用客が長い列をつくったロープウェイ=中津川市蛭川、恵那峡ランド、1985年撮影
恵那市と中津川市を結ぶロープウェイ
週末は超満員になった丸型のゴンドラ=1980年代撮影(いずれも恵那峡ワンダーランド提供)

 岐阜県中津川市蛭川のレジャー施設「恵那峡ワンダーランド」の前身の恵那峡ランドには、かつて大井ダム湖を横断して恵那市大井町の恵那峡まで結ぶ「恵那峡ロープウェイ」があった。笠置山や恵那山などの眺めは絶景で、ゴールデンウイークは1日に最大1万人以上の利用があった。

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 恵那峡ランドは、恵那峡とその北岸の観光を目的に1969年10月から2000年12月まで営業し、ロープウェイを運行した。恵那峡ワンダーランドと名称変更して再オープンした02年4月以降は運行していない。

 ロープウェイは、全長717メートルで湖面からの高さが最大約50メートル。丸型のゴンドラは当時珍しかった。定員は35人で、15分に1度運行した。ロープウェイからの眺めは好評で、わずか片道4分30秒で恵那市と当時の恵那郡蛭川村(現中津川市蛭川)を行き来した。

 現在の恵那峡大橋は1977年に開通。それまでは、大井ダム近くの橋を車や徒歩で渡るか、ダム湖を船で移動する手段しかなかった。遊園地利用者以外に住民もロープウェイを利用するなど地域の人には生活の足でもあった。

 当時ロープウェイのガイドを務めたワンダーランド所長代理の西尾裕子さんは「利用客が少ないとゴンドラはダムの水面からの高さが増し、定員でいっぱいになるとゴンドラは下がる」と話し、「ゴールデンウイークは遊園地の営業が終わっても帰宅する人たちが、ロープウェイに乗るために午前1時頃まで長い列ができた」と振り返る。落雷で停電することもあり、従業員はダム湖上空のゴンドラから遊覧船に降りる避難訓練を定期的に行っていた。

 西尾さんは「今、ロープウェイ復活を望む声が地域住民から出ている」としながらも「安全管理上、運行することはできない。費用も億単位で、資格を持った人もいない」と話す。ロープウェイ復活は遠い道のりだ。