新型コロナウイルス感染の「第3波」が県内を襲っている。25日には1日当たりの新規感染者が過去最多タイの30人に上り、27日も29人の感染が判明、累計の感染者数は千人を超えた。感染拡大の速度は増しており、岐阜県が感染対策強化の参考とする独自の基準指標はほとんどが高止まりしている。感染症の専門家は「今まさに(感染爆発するかどうかの)分かれ道」と警鐘を鳴らす。

 新規感染者数は今月初めから増え、16日からは6日連続で2桁が続いた。感染者が100人に達するのにかかる日数が最短で6日間(16~21日、22~27日)と、県独自の第2波非常事態宣言発令前後の5日間(7月27~31日、同月28~8月1日)に迫る増加速度となっている。累計感染者数が500人に達するまでは約6カ月かかったが、千人に至るまでは3カ月余りだった。

 県独自の基準指標は、26日時点で5項目のうち4項目が基準を超過。「新規感染者数」の数値は約16倍、「感染経路不明者数」は約11倍に上るほか、「入院患者数」も倍以上だ。

 懸念されるのは、第3波では幅広い世代に感染が広がっていることだ。県健康福祉部の堀裕行次長は「第2波では、名古屋のクラブに出掛けたり、繁華街での飲み会に参加したりした若い人から広がった。第3波では当初からいろいろな年代の人に陽性者が出ている」と指摘する。

 直近の1週間(21~27日)の新規陽性者をみると、40代以上は45・1%で、7月末の1週間(25~31日)と比べると12ポイント上昇している。県医師会常務理事で感染症担当の磯貝光治医師(53)は「高齢者は重症化しやすく、致死率も高い」と指摘。「同じ患者でも重症となればより医療者の手が必要となるため、割合が増えれば医療現場の逼迫(ひっぱく)にもつながりかねない」と危ぶむ。

 県は「自宅待機者ゼロ」を掲げて宿泊療養施設を含めた病床(ベッド)数の確保を進めており、使用率は26日時点で13・9%。政府の新型コロナ感染症対策分科会がステージ3(感染急増)の指標の一つとする「25%以上」より大幅に低く抑えられている。ただ、磯貝医師は「この調子で新規感染者が増えていくことを念頭に置けば、決して気を緩められる状況ではない」とみる。

 県がインフルエンザとの同時流行に備えて地域のクリニックなどを指定する「診療・検査医療機関」は、運用開始から1カ月強で504カ所(24日時点)に上る。検査体制を着実に強化してきたことは、クラスター(感染者集団)化の抑制にもつながる。「心配だと思ったらすぐかかりつけ医など身近な医療機関にかかることができる環境を準備できていることは大きい」と磯貝医師。「体調が優れないときは自宅で安静にしたり、大人数での会食を避けたりと、県民一人一人が正しく恐れてやれることをやれば、まだ日常生活を守れる段階にある」と強調する。