岐阜県富加町教育委員会は戦国時代、地元の加治田城主を務め、織田信長の側近だった武将斎藤新五利治(しんごとしはる)(1552?~82年)を主人公に漫画制作に取り組んでいる。脚本の一部を関高校(関市)の生徒が担い、来年3月に刊行して町内の富加小学校と双葉中学校の児童生徒に無償配布する計画。脚本を書くため、関係者がゆかりの地を訪ねて現地調査を行うなど、制作が大詰めを迎えている。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」斎藤新五利治は、美濃国の戦国大名斎藤道三の末子と伝わり、いち早く信長に従って美濃攻略で頭角を現す。信長の親衛隊「馬廻(うままわり)衆」として各地を転戦。特に越中国(今の富山県)を巡る上杉氏との戦いで、天正6(1578)年には織田軍の主力として越中へ攻め入り、決戦となった月岡野(つきおかの)の戦いで勝利を収めた。天正10年の本能寺の変で京都の二条御所で明智光秀の軍勢と戦い、数え年31歳で討ち死にしたという。
脚本と絵は、信長の東美濃攻略を題材に2017年に刊行された漫画「夕雲の城」作者の渡辺浩行さん(60)=池田町=が執筆。脚本のうち、一番の見せ場となる越中攻めの部分を、関高校の文芸部と地域研究部の生徒が担当し、町教委が監修を務める。
7月には「マンガ制作活用プロジェクト会議」の初会合が同町役場で開かれ、検討委員や高校生委員、町教委職員が出席。本能寺の炎を背にたたずむ甲冑(かっちゅう)姿の新五に、直筆署名と花押をデザインした漫画の表紙案を決めたほか、渡辺さんが越中攻め以外で描き進めている漫画の進ちょく状況を説明。28日には、関高校生徒9人と渡辺さん、町教委職員ら計14人が富山市へ出掛けて越中攻めの現地調査を行い、舞台となった津毛(つげ)城跡や今泉城跡、月岡野の合戦跡地などを見学した。
「織田勢が北陸へ進出する足がかりを作った活躍の割に新五の知名度は低いからこそ、やりがいがある」と町教委の島田崇正文化財専門官。新五は「夕雲の城」にも登場するため、同作の続編という位置付けになり「地元の子どもたちに地域の歴史を知ってもらう機会にしたいし、町外へもPRしたい」と期待する。
全体の3分の1ほどを描き上げたという渡辺さんは「新五を主役に続編ができるとは思っていなかったので、キャラクターを少しりりしくしたい。人柄をどう描くかが難しく、現地調査でとっかかりがつかめた」と感想を話した。















