着物のキャンセルなど電話対応に追われる従業員=19日午前、岐阜市六条南、衣舞岐阜六条店

 新型コロナウイルスの感染拡大の「第4波」を受け、県内の自治体で成人式を中止する動きが出る中、着物のレンタル店や写真スタジオが新成人の思い出づくりに新たなサービスを打ち出している。岐阜市内では、大型連休中の予定だった成人式(新成人を祝い励ます会)の中止が発表されると、着物レンタルのキャンセルが相次ぐ一方、思い出を残すため写真撮影の依頼が増えている。店舗側は「感染が広がり、中止の判断はやむを得ない」と理解を示した上で「思い出づくりにどう対応するかが問われている」と知恵を絞る。

 岐阜市などで着物のレンタル店とフォトスタジオを併設した4店舗を構えるウメイチ(瑞穂市馬場春雨町)の梅田益生社長(36)は「泣きながらキャンセルの連絡をしてきた人もいる。中止は仕方ないけど、新成人の立場になれば開催してあげてほしかった」とおもんぱかる。

 同社では、岐阜市の成人式関連だけで400件ほどの予約があった。中止が発表されてからキャンセルの電話が相次ぎ、従業員が対応に追われる一方、併設するフォトスタジオには写真撮影の新規依頼が多く寄せられているという。

 「連絡を待っていては対応が遅れる。店から予約者に電話して方針を聞いたり撮影プランの提案をしたりしている」と梅田社長。市内の料亭と連携し、レンタル客には無料で4人分の食事代がつくサービスを開始。「コロナで思い出の残し方が多様化した。さまざまなニーズに応えていくことが大切」と強調する。

 写真店「スタジオhiyori」(同市湊町)は成人式の予定日だった2、3日に、古い町並みが残る川原町付近で無料撮影キャンペーンを実施する。撮影時間は1人5~10分、1枚目の写真データを無料で提供、2枚目以降を販売する企画で、既に20人ほどの申し込みがあるという。晴れ着姿を残せる撮影会を開くことで、着物店や美容室への打撃を少しでも抑えたいとの狙いもある。

 代表の森祐輔さん(41)は「(成人式が)1月は延期、今回は中止で、2回ショックを受けたはず」と新成人を思いやり「振り袖にはさまざまな思いが込められている。その思いを残す手伝いになれば」と話す。

 同市京町地区の式典で「成人の誓い」を読む予定だった新成人の会社員の女性(20)は「中止は残念だけど、自分たちが感染を広げるわけにはいかない。せっかくなので幼なじみ5人で集まり、振り袖を着て写真だけでも撮りたい」と話した。