山県市のふるさと納税返礼品として人気のウルトラファインバブルシャワーヘッド「ボリーナ」シリーズ
「市場を切り開いた自負はある」と語る田中和広社長=岐阜市木ノ下町、田中金属製作所

 昨年の岐阜県山県市のふるさと納税返礼品の申し込み件数で、田中金属製作所(岐阜市木ノ下町)のウルトラファインバブルシャワーヘッド「ボリーナ」シリーズの6点がトップを含めて10位以内に入り、注目を集めている。商品力と販売力の高さから着実に販売数を伸ばしており、下請けからメーカーへと飛躍を遂げた同社の看板商品だ。

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 同社は、水栓バルブ発祥の地といわれる山県市の美山地区で1965年に創業。2019年に本社を岐阜市に移したが、旧本社の山県市日永の拠点が本店となっている。

 下請けとしてバルブといった真ちゅう部品などを製造していたが、あらかじめ決められた加工賃で受注し、大きな成長を見込めない。05年に社長に就任した田中和広さん(53)は、「ものづくり技術を生かして自社製品を扱うメーカーになりたい」と夢を描き、11年にウルトラファインバブルシャワーヘッドを商品化。その後、ボリーナシリーズとして展開している。

 同製品は、0・0001ミリという超微細な気泡「ウルトラファインバブル」を発生させる。毛穴の奥に行き渡り、汚れを吸着して洗い流す洗浄効果のほか、保温や保湿、節水効果も高いのが特徴だ。

 13年にはテレビ東京の番組で商品が取り上げられたことをきっかけに受注が急増。当時、経営は苦境に陥っており、8千万円の債務超過を抱えていたがこれを解消するほどの「V字回復」を遂げた。田中社長は「生き残るのに必死で、この商品は救世主だった」と振り返る。

 「商品に触れてもらいたい」と実演販売にこだわり、自ら店頭に立っている。田中社長は「アーティスト理論」という独自の戦略を実践。「良いものを作って売ることが重要。売り場をステージに見立て、アーティストのように商品にスポットライトを当てて魅力を伝える。その先に感動が生まれ、購入につながる」と話す。

 こうした姿勢を貫き、約1万~2万円と高価格にもかかわらず、累計販売数は65万個を超えた。「市場を切り開いた自負はある」と胸を張る。返礼品の人気について「毎日使うので良いものを使いたいというニーズがある。新型コロナウイルスによる巣ごもり需要も後押ししているのでは」と語る。

 今後は、さらに高価格帯の商品の開発などを視野に入れており、一層の成長に向けてまい進する。