岐阜県美術館開館40周年を記念して同館で9月30日から開かれる「前田青邨展」の代表的作品の一つ「羅馬(ローマ)使節」が、所蔵されている早稲田大学會津八一記念博物館(東京都新宿区)から搬出された。高さ3メートルに迫る大作を、関係者たちは慎重に運んだ。
県美術館、岐阜新聞社、岐阜放送でつくる実行委員会主催。青邨は中津川市出身の日本画家。「洞窟の頼朝」などの作品でも知られる。羅馬使節は天正遣欧少年使節の伊東マンショを題材に1927年に描かれ、29年に同大に寄贈された。青邨が欧州留学で見た数々の名画に触発され、日本画の新しい表現法を模索して描いた点に意義がある作品という。県内で展示されるのは、県美術館開館後に展示した83年以来。
以前はびょうぶのように折り畳んで運んだこともあったが、今回は作品保護のため、畳まず額に入れたまま運んだ。同博物館から搬出される作品としては最大級という。
両館の職員らが見守る中、運送業者が壁から外し、ぎりぎりの大きさの出入り口をくぐらせ、階段を下ろし、美術品などを専用に運ぶトラックに積んだ。従業員たちは壁にぶつけたりしないよう慎重に運んだ。
作業を見守った青邨の孫で目黒区美術館館長の秋山光文さん(74)は「岐阜の若い人に見てもらいたい。日本画の良さを再発見してほしい」と話していた。





