ペン先にインクを付けて使う金属製のつけペン「DRILLOG(ドリログ)」は精密金属加工のシオン(岐阜県美濃市御手洗)が、近年人気のガラスペンをヒントに2年半かけて商品化にこぎつけた。筋状に彫られた溝の模様が美しいペン先と独創的なデザインが、ボールペンや万年筆とは一線を画すと愛好者から注目を集めている。昨年10月の発売以来100本以上を販売。4月から美濃市のふるさと納税返礼品に加わった。
氏名や役職・部署名で検索!「岐阜の経済・人事情報 ポータル」ペン先とペン軸が別で、連結部分は標準的なネジ「M6」の形状を採用し、取り付けは簡単だ。細さは0・5ミリと0・8ミリ。ペン先にインクを付けると筋状の溝をつたって先端にとどまり、滑らかに書くことができる。手にした時のほどよい重量感も心地いい。ボディーはデザイナーが監修し、緩やかならせんの形状、ステンレス素材を生かしたシンプルな形状、ネジを連想させる独特のフォルムと計8種類を用意した。
シオンは主に航空機部品や印刷機械部品を製造。2代目の山田健社長(58)は「使い手が幸せになるものづくりがしたい」と、切削加工技術を生かした金属雑貨も手掛ける。ふたの密閉性が高い金属製のキャニスターは人気商品の一つだ。従業員は7人ながら、2013年の第2回全日本製造業コマ大戦で優勝するなど高い技術力を誇る。
金属製のつけペンは、精密コマを卸す代官山蔦屋書店(東京)の担当者から「ガラスペンが人気で、金属でもできませんか」と提案され、開発に挑んだ。同じ形状のペンを試作したが書けなかった。「ガラスにできて金属にできないのは悔しい」。素材を調べるとガラスは親水、金属ははっ水という性質の違いが分かった。「金属を親水にできれば」と研究し、プラズマ加工技術の応用にたどりついた。
「図面通りに作ることは慣れていたが、洗練されたデザインを形にするのは大変だった」と山田社長。熟練の職人の技術力も結集した。ドリログはドリルとダイアログ(対話)の造語。探究心や顧客との対話の大切さを商品名に込めた。
昨年11月の東京インターナショナルペンショーでは、ペン先まで金属製というのは珍しいと注目を集めた。価格は3万円相当と高額だが、購入した米国人男性が動画投稿サイトユーチューブで紹介すると注文が殺到した。
山田社長のものづくりの原点は小学校の卒業文集に書いた「人々に喜ばれる発明」といい、「これからもワクワク感を源泉にものづくりを追求していきたい」と意気込む。













