まん延防止等重点措置の適用初日、休業したビアガーデンで取材に応じる経営者。厳しい経営状況となるが、「今度こそ収束を」と願う=9日午後0時54分、岐阜市神田町、柳ケ瀬ビアガーデン
大垣市のすし店は、酒類の提供時間を知らせる張り紙に横線を入れて修正。感染対策に留意し、要請に沿った営業を続ける=9日午後3時55分、同市高屋町、すし半

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」が9日、岐阜県内16市町で始まった。対象となった岐阜市や大垣市では、酒類提供の自粛要請に従って営業を続ける飲食店がある一方で、経営が成り立たないとして一時休業を決めたビアガーデンもあった。ただでさえ時短要請の延長でダメージを受けていたところへ、追い打ちを掛けるような酒類提供の自粛。各店舗が、難しい対応を迫られた重点措置の初日となった。

 JR大垣駅にほど近いすし店、すし半(大垣市高屋町)の大将、服部章司さん(72)は「休んでいる間に他店にお客さんが流れてしまう不安がある」と、収益は見込めないが、酒の提供を取りやめても営業を続ける決断をした。この日は、酒類の提供時間を知らせる店内の張り紙に削除の横線を入れて対応。「お酒を出せないと伝えるだけで、9日は入店を取りやめるお客さんがいた」という状況で、この日の午後4時からの夜の部では2人しか来店客がいなかった。

 客は酒も目的にしていることもあって、時短営業に応じてからの売り上げは例年比で20分の1程度だという。「お客さんの9割がお酒を飲む。飲めないとなると、夜のお客さんは全然来なくなるのでは」と不安を募らせる。

 岐阜市神田町で毎年4月下旬から9月末までオープンするビアガーデン「柳ケ瀬ビアガーデン」は、先月28日に今季の営業を始めたばかりだが、9日から月末までの一時休業を決めた。経営者の男性(45)は「今年は工夫を凝らして何とか赤字は避けられると見込んでいたので、ショック」と肩を落とす。

 昨年は約2カ月しか営業できず、売り上げは前年同期と比べて1割以下だった。今年は苦境にさらに追い打ちを掛ける状況となり、「出口が見えず、これまでで一番厳しくなる」と沈痛な表情。この日はビールサーバーなどの片付けに追われたが、「折れそうな心を奮い立たせて頑張るしかない。しっかり(要請に)協力して、本当に、今度こそコロナを収束させないと」と前を向いた。