大垣市の高齢者向け集団接種会場。レイアウトを変更するなどして迅速な接種を進めている=同市新田町、市民会館

 高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の7月末完了という国が示した方針に、現場の市町村が対応を迫られている。スケジュール達成に向け、医療機関への協力金の上乗せや、集団接種会場の倍増など知恵を絞っている。7月末まであと10週間。達成は本当に可能なのか。

◆「盆前に終われば」本音も

 「最初に『7月末』と聞いた時は正直難しいと思ったが、ワクチンの供給のめども立ち、何とかできるのではないかと考えている」と話すのは、多治見市の担当者。スケジュール達成に必要な週当たりの接種ペースを推計し、協力金の上乗せなどを講じて加速させたい考えだ。各務原市の担当者も「集団接種会場を2会場から8会場まで増やして対応する。何とか終わらせるよう、医療機関などと連携し、市職員全員で頑張りたい」と話す。

 県内最大規模の高齢者11万4500人を対象とする岐阜市の担当者は「打ち手の確保を進め、何とか7月に終わらせたい」と話す。同市は集団接種1割、個別接種9割と見込み、個別のスピードを上げることが「7月末完了」には重要とみており、医療機関への協力金も上乗せする。

 期間内に終わらない個別接種の希望者を集団接種に移るよう促す方針を示しているのは、大垣市。集団接種の会場増設も視野に調整しているほか、会場レイアウトを工夫してスピードアップを図る。美濃加茂市では、予約できていない個別接種の希望者に、空きのある医療機関の情報を提供して推進する。関市は担当職員を増員して対応する。

 一方、7月末の達成を「難しいのでは」と明かす市町村担当者は、いずれも口が重い。

 ある市の職員は「本音としては、8月のお盆前までに終わればなという感じ。集団接種、個別接種とも、今すぐ大幅にペースを上げないと、おそらく終わらない」と打ち明ける。別の市の担当者も「接種率が上がれば上がるほど、8月までずれ込む可能性がある」と懸念。「また、国はワクチン供給のめどが立った途端に『7月末』を打ち出したが、現場から見ると勝手だと感じる。やらざるを得ないので、やるが」と恨み節を話す市職員もいた。