職務質問の訓練に取り組む女性隊員=瑞穂市牛牧、県警本部穂積分庁舎

 岐阜県警は男女共同参画・女性活躍推進の一環で今春、自動車警ら隊に女性の幹部警察官2人を配属。同隊では8月から新たに女性ペアによるパトロールも始まった。幹部の一人で、機動警ら係で初めての女性指揮班長を任される大野純子警部補(47)は「女性ならではの視点が生かせる利点は大きい。『女性隊員が増えたら執行力が下がった』と言われないよう、指導していく」と意気込みを示す。

 機動力あるパトカーの集中運用のため設けられた「広域機動警察隊」などを前身に持つ自動車警ら隊は、制服を着た隊員がパトカーで県内全域を警らするのが任務。街頭犯罪抑止のために目を光らせ、"職務質問のプロ"として不審者を発見し摘発につなげる活動のほか、署の応援も行う。

 隊員の女性比率は大野警部補と倭(やまと)由樹巡査部長(32)が幹部として加わるなどしたため2割弱に伸び、県警の警察官全体の約1割より高くなった。女性隊員は男性隊員と比べ犯罪被害に遭った女性や子どもへの細やかな対応が期待できるほか、女の容疑者の所持品検査などが行いやすくなる。「女性隊員の増加でより適切な初動対応ができる」(原哲也隊長)として、昼夜を問わず女性隊員が現場に向かえる態勢を敷く。

 パトロールの基本としていた男女ペアの見直しも始めた。若手の女性隊員から出ていた「同性の先輩から現場で直接学べる機会を得たい」と女性ペアでの警らの要望に応えることが、女性隊員の増加で可能となった。大野警部補は「どういうところを(警戒して)見るかが男性とは異なり、考え方に幅ができた。特に隊員に子どもがいるなどすると、全く違う部分が見えたりする」とし、倭巡査部長は「女性同士だから息も合い、より積極的に行動できる」と話した。

 警察官拝命から27年目の大野警部補。「社会の流れもあって男性警察官の意識も変わって、女性がだんだん仕事をしやすくなっている」と語る。一方で「『女性だから、この現場は一歩下がろう』などという気持ちの弱い警察官が増えることだけはないようにしたい」と気を引き締めた。