新型コロナウイルス禍で飲食業の不振が続く中、岐阜県内の酒販店やデリバリー専門店に家飲み需要が集まっている。外出自粛や飲食店の時短営業、酒類提供の中止で家飲みが増える中、関係者は「まだ伸びしろがある」と期待する。
29日夕方、各務原市入会町の酒販店「酒ゃビック各務原那加店」では、ビール缶の24本入りケースをカートに載せた人が、次々にレジへ並んだ。ケースを手に取った40代の男性会社員=同市=は「晩酌は欠かせない。外で飲めない分、浮いたお金で発泡酒のところをビールにした」。
同店を含めて東海地域を中心に100店以上を展開する酒卸販売業の藤桂京伊(ふじけいきょうい)(愛知県稲沢市)は、国の緊急事態宣言が初めて出ていた昨年5月には前年同月と比べて120%を超える売り上げとなった。
同店の金子尚人店長(43)によると、今年は外出控えが響いているのか、昨年のような売り上げ増とはなっていない。それでも「顧客に家族連れや女性が増えた。家飲みが定着した」とみる。
コロナ禍の中、同店へ通うようになったというパート職員(47)=各務原市=は「外飲みより家飲みの方が出費が少なくて済む。ノンアルコールやチューハイも買うようになり、新しいお酒の楽しみ方を知る機会にもなった」と話す。
外出自粛で宅配サービスの利用も増えている。デリバリー専門店を展開するTGAL(テガル・東京都)は昨年10月、岐阜市東栄町にテガルデリバリー岐阜店を県内初出店した。
テガルは、一つの店舗でうどん店や焼き肉店といった全国の有名店の料理を取り扱う。岐阜店は同社とフランチャイズ契約を結ぶ外構工事業のマルミヤコーポレーション(同市東改田)が運営。注文はインターネットで出前を仲介するウーバーイーツと出前館で受け付ける。自前のスタッフが配達することで、コストを抑えている。
「オープンから8カ月で客は3倍に増えた」と堀義崇社長(41)。注文客は20~40代の単身層が中心。岐阜市などの飲食店に営業時間短縮要請が出た昨年12月には、月の売上高が550万円となった。今月も500万円を見込む。
4月下旬から飲食店への営業時間短縮要請が始まって以降は「注文のピークが夜にシフトした」。「緊急事態宣言などが終われば一時的に売り上げは落ちるだろうが、リピーターは多く、5千円近くの弁当もコンスタントに売れる。デリバリーが浸透してきた」と話す。













