恋愛感情など一方的な好意から付きまといや待ち伏せ、見張りなどの行為を繰り返すストーカー行為の被害相談が、岐阜県内で増加している。今年は5月末までに県警に330件(前年同期比46件増)が寄せられ、ここ5年間で最も多かった昨年を上回るペース。今月15日には規制対象を広げた改正ストーカー規制法が一部施行され、県警人身安全対策室は「事態が急展開して殺人や連れ去りといった重大事件へと発展する可能性もある」として、各署と連携して積極的な摘発に乗り出している。
グーグル検索で岐阜新聞デジタルを優先表示!便利機能で岐阜のニュースをチェック盗撮用の小型カメラのレンズが取り付けられたコンセントや、呼び鈴に見せかけたボックス。駐輪場の支柱や、側溝の隙間にも小型カメラは仕込まれていた―。県警は今月、ストーカー事件で逮捕した男から押収した犯行用具を公開した。男は面識のない女性に一方的に好意を寄せ、ストーカー行為をしていたとみられている。
被害実態が見えにくく、潜在化しやすいストーカー行為。県警によると、被害女性は隠しカメラの存在にまったく気付いていなかったという。捜査員は「男は女性を行動監視するだけでなく、スカートの中まで撮ろうとしていた。相手の全てが知りたい、という強い欲望に駆られていたようだ」と明かした。
県内でのストーカー被害相談は2016年に592件だったが年々、増加。県警が19年から「今後、ストーカーに発展する懸念がある」とするケースも相談件数に計上していることもあり、ここ5年で200件近く増えた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活様式などの変化と、相談件数の増加に顕著な相関はみられないという。
県警は20年に主にストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)の事案に迅速に対応するため、署と連携する人身安全対策室を新設するなど、被害者保護とともにストーカー加害者の積極的な摘発による再犯防止を加速。摘発数は16年は43件だったのに対し、20年は約1・7倍の74件に。今年は5月末時点で検挙が29件(4件増)、その前段の文書警告が45件(6件増)となっている。
今年5月には、改正ストーカー規制法が成立。衛星利用測位システム(GPS)機器や、居場所が分かるスマートフォンアプリを悪用し、監視したり見張ったりする行為も摘発の対象となる。相手の許諾なく機器を取り付けたり、アプリをダウンロードしたりするだけで違法とする内容で、8月26日から全面施行される。
県警人身安全対策室の長岡一弘室長は「加害者の違法行為に対する厳正な取り締まりと、被害者の保護対策の徹底で県民の安心安全の確保に努めたい」とし、「不安なことがあればすぐに警察に連絡を」と話した。県警のストーカー相談110番は、フリーダイヤル(0120)794310か、最寄りの署へ。













