アズマヒキガエル保護のため、コイよけの網を張る学生、生徒たち=岐阜市内
繁殖期で池に姿を見せたアズマヒキガエル=岐阜市内

 岐阜市で生息が激減しているアズマヒキガエルの保護活動が、市内の公園で続いている。11年目の今年の繁殖期には、これまでで最高の115匹が現れ、雌を複数の雄が奪い合う「かわず合戦」と呼ばれる行動も確認された。「ちょっと手を掛けてあげると絶滅を防ぐことができる」と関係者は手応えを感じている。

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 県内全域に分布する体長4~16センチの褐色の大型のカエルで、ガマガエルの俗称で親しまれてきたが生息が激減。3月公表の市版レッドリストでは絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機)で8年前より2段階引き上げられた。

 幼生を育む水辺が市街化で失われたり、陸地とをつなぐ「エコトーン」(水陸移行帯)が道路で分断されたりしており、アライグマやタヌキ、イノシシの食害と合わせ市内の平野部では絶滅状態とみられている。

 保護活動は2012年、高木雅紀大垣北高教諭(57)が、当時の勤務先だった岐阜高校自然科学部の生徒らと始めた。1~2匹分の卵塊を確認したため、一部を持ち帰ってふ化させて戻したが、なかなか個体数が増えなかった。

 池のコイにオタマジャクシが食べられていると考え、16年から池を管理する市の承諾を得て柵や網を設置するように。すると、繁殖期に現れる成体が増え始め、21年20匹、22年74匹(いずれもピーク時)と徐々ににぎわいが戻ってきた。

 18年から活動に参加し、網の改良などを助言した向井貴彦岐阜大地域科学部教授(保全生態学)は「『ほかにもいるから』ではなく地域の遺伝子を残すことが大事。生き残っているならば改善できる」と説く。

 今季のピークは3月16日で、「クックック」という鳴き声が響く中、産卵直前の雌を背中から雄が抱きかかえる「抱接」や、雌に群がる雄を先行した雄が後ろ足でけり散らす様子などが見られた。卵塊の数も12匹分ほどになった。

 「感激した。みんなで手探りでやってきたことが実った」と喜ぶ高木教諭。3月23日には、大垣北高の自然科学部員や岐阜高卒業生ら13人で仕切り網を設置した。「カエルが嫌いな人もいるかもしれないが、心が和んだり、子どもたちが『すごい』と思ったりできるような環境を残したい」と活動に理解を求めている。

 卵塊はふ化して5~6月ごろ幼体になって上陸する。この池の保護活動は、4月9日まで世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ(各務原市)の企画展で紹介されている。