少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は、県岐阜商業高校(岐阜市)の村上宏俊校長(58)です。今夏の甲子園ベスト4が大きな話題になりましたが、他の部活や商業教育でも全国優勝は数知れず。今年はなんと公認会計士試験に生徒が合格しました。大学などへの進学率は8割。なぜ多方面に成果を出すことができるのでしょう。村上校長は「自走と伴走」を大事にしていきたいと言います。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

県岐阜商業高校=岐阜市則武新屋敷
 県立岐阜商業高等学校 所在地は岐阜市則武新屋敷。1904年開校の県立全日制・定時制高校。全日制には流通ビジネス、ビジネス情報、会計、グローバルビジネスの4科がある。2026年度の全日制定員は合計360人。愛称は「けんぎしょう」「ぎしょう」。

 ―県岐阜商の特徴は。

 一つ目は商業教育・部活動・進路達成の3本柱それぞれで日本一を目指していること。

 二つ目は120年の歴史と伝統があり、地域からの信頼が厚い学校であること。生徒も誇りを持って学んでいる。

 三つ目は4万人を超えるOBによる物心両面の厚い支援があること。本校のOBには非常に強固なつながりがある。

 私自身が感じる一番の特徴は、高い目標と意欲を持った生徒たち、愛情と情熱を持った教師らと一緒に切磋琢磨し、自分を大きく成長させることができる学校だということだ。

 ―商業教育・部活動・進路達成の3本柱を詳しく。

 商業教育は日本一のレベルにある。本校の生徒は高度な資格取得に挑戦している。この1年で、日商簿記検定1級に1年生を含む8人が合格した。2級も169人合格で、全国トップの実績を挙げた。本年度、本校の3年生が公認会計士試験に合格した。全国の全日制高校で初めての合格だ。

 本年度の全国高等学校簿記競技大会と、全国高等学校情報処理競技大会のいずれも団体、個人の部で優勝した。

 
 むらかみ・ひろとし 岐阜市出身で教科は地歴公民(日本史)。岐阜農林高校教頭、大垣西高校教頭、山県高校校長を経て、2025年度から現職。

 ―部活動も盛ん。

 運動系、文化系、生産系合わせて、26部あるが、この1年で県大会の優勝が29、全国優勝が9あった。部活動も全国トップレベルだ。...