鉄道愛好家の団体「鉄道友の会」が〝鉄道車両の最優秀賞〟を選ぶ「ブルーリボン賞」に、JR東海のHC85系が選ばれた。昨年7月に高山線の特急「ひだ」で営業運転を始めたハイブリッド特急車両。この賞はプロ野球でいえばMVPと新人王を会わせたものに相当する。1958年から選定されている歴史ある賞。61年制定の〝優秀賞〟「ローレル賞」とともに、鉄道の歴史に名を残す車両が受賞してきた。その中には、岐阜県に縁がある車両も多い。

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ブルーリボン賞に選ばれたJR東海のHC85系=3月、岐阜県下呂市萩原町上村

 同会は年1回、両賞を選ぶ。前年に営業運転を始めた車両が対象。今年は13系列・形式から選んだ。全国に3千人ほどいる会員が投票。投票結果に加え、鉄道車両に詳しいベテラン会員で構成する選考委員会の審議で受賞車両を決める。

 ファンが選ぶ賞だが、鉄道事業者も受賞を強く意識している。JR東海の丹羽俊介社長はHC85系の受賞に「伝統ある、価値の高い賞で光栄」と話す。

ブルーリボン賞に選ばれたJR東海のHC85系=4月、飛騨金山駅

 HC85系はどんな車両なのか。システム面を簡単に言うと、エンジンで発電して走るハイブリッド車両だ。高山線のような非電化区間を走る。エンジンのほか、バッテリーもある。ブレーキをかけたときにモーターから発生する電力などをバッテリーにためる。エンジンとバッテリーからの電力でモーターを回して走る。

HC85系の「ナノミュージアム」に飾られている岐阜うちわ

 車内設備も充実している。乗降扉があるデッキには、沿線の伝統工芸品を展示する「ナノミュージアム」を設けた。飛騨春慶や岐阜うちわといった名産品が見られる。車椅子スペースや多機能トイレなどのバリアフリー設備も充実。座席は全席にコンセントを設置。安全性や快適性、環境性能などを向上させ、現代の旅に対応した設備を備える。

 次回は、HC85系の特徴をさらに詳しく伝える。

 広瀬丈士(ひろせ・たけし) 下呂支局や可児支局など岐阜県内での取材や紙面編集の傍ら、鉄道など公共交通機関を取材。2007年から20年にかけて岐阜新聞Webで掲載した「『鉄』記者ブログ」筆者。