【4回戦 市岐阜商3―1中津商】

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 「粘り強く、競り勝つのが本来のチームカラー」と北岡剛監督が語る市岐阜商が2、3回戦の圧勝とは打って変わった接戦を制し、2年ぶりのベスト8入りを果たした。主砲として先制につながる第1打席、貴重な追加点となった第3打席などチーム5安打のうち3本の二塁打を放ち、捕手として継投2投手を好リードした田中仁は、今年の市岐阜商の象徴だ。

市岐阜商×中津商=6回裏市岐阜商無死二塁、貴重な適時二塁打を放ち、塁上で喜ぶ田中=長良川球場

 初回に2点を先取後、なかなか追加点が取れなかった六回裏の第3打席。四球出塁の松本瑛人を右翼線二塁打で返し「前の打席で打たされた遅いカーブを、今度はコンパクトに振り切った」と笑顔で振り返る。

市岐阜商×中津商=6回裏市岐阜商無死二塁、田中が右翼線に適時二塁打を放つ=長良川球場

 初戦の2回戦飛騨高山戦で1安打2打点、3回戦の岐阜総合戦では3安打4打点と打撃好調だが、北岡監督がさらにたたえるのがリード面。田中自身も「秋は4番として打てないことが、リードにも影響していたが、精神的に成長。ピンチになっても冷静にマウンドで声掛けできるようになった」と語る。

 「勝ち切るにはこれからが重要。目の前の1試合1試合をきっちり戦い抜きたい」。見据えるのはもちろん、2008年以来15年ぶりの甲子園だ。