岐阜県下呂市の北部、小坂地域の玄関口となるJR高山線飛騨小坂駅。8月25日に開業90年を迎えた。無人駅になって久しいが、地域のシンボルとして、特徴的な丸太造りの駅舎は、地域の人らに大切に守り継がれている。

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 高山線は、1920(大正9)年11月に岐阜―各務ケ原間が開業したのを皮切りに、路線の延長を重ねてきた。岐阜からの線路が飛騨金山まで到達したのが1928(昭和3)年3月。その後、29年4月には1駅先の焼石まで延長。下呂温泉の玄関口となる下呂まで線路が延びたのは30年11月。31年5月には飛騨萩原まで延長。飛騨小坂まで線路が到達したのは33年8月25日だ。

開業90年を迎えた高山線飛騨小坂駅。記念イベントには多くの人が集まった=下呂市小坂町大島

 一方、富山県側は「飛越線」として27年9月の富山―越中八尾間開業を皮切りに、小刻みに延伸。32年8月には岐阜県内に入り杉原まで、33年11月には坂上に線路が到達。飛騨小坂と坂上の間が結ばれ、高山や飛騨古川などを含む区間が開通したのは34年10月25日。高山線全線開通90年は来年に迫る。

駅前には「御嶽登山口」の石碑も建つ=下呂市小坂町大島、飛騨小坂駅

 全通までの1年ほど、高山線の終点だった飛騨小坂駅。杉丸太を組んだ、山小屋風の駅舎が特徴。1999年には、「中部の駅百選」の一つにも選ばれている。小坂地域は山林に恵まれた町。木材輸送だけでなく、御嶽山(3067メートル)登山の岐阜県側の入り口としてもにぎわった。小坂の山々から切り出された木材を運ぶ小坂森林鉄道や、御嶽山の登山口となる濁河温泉へのバスが発着した。

飛騨小坂駅は、杉の丸太を組み合わせた駅舎が特徴=下呂市小坂町大島

 木材輸送は昭和40年代までに森林鉄道からトラックに切り替えられ、濁河温泉へのバスも今はない。駅の利用者数も減少し、2011年からは無人駅となった。無人駅となったが、地元有志が立ち上げた「飛騨小坂駅友の会」が清掃などを続けている。年末には門松を飾り付けるなど、小坂地域の象徴的な場所として活用している。

 8月26日に開かれた記念イベントには、地域住民ら150人ほどが集まった。イベントは、古い写真の紹介や音楽の演奏などで盛り上がった。来年の高山線全通90年や10年後の飛騨小坂駅開業100年に向け、駅舎は引き続き大事に守られていくだろう。