LGBTQ(性的少数者)のカップルを岐阜県が公的に認める「県パートナーシップ宣誓制度」が1日始まり、岐阜市の谷村祐樹さん(35)と中村文亮さん(35)が県制度第1号カップルとして「宣誓書受領証」を受け取った。2人は「ゼロから1になることは本当に大きい。制度導入に向けて尽力してきた人たちにとっても記念すべき日になった」と感謝を込めた。

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県パートナーシップ宣誓制度の宣誓書受領証を受け取った谷村祐樹さん(左)と中村文亮さん=1日午前、県庁

 制度は、性的少数者や事実婚のカップルを結婚に準じる関係と認めるもので、受領証を提示すれば公営住宅に同居家族として入居の申し込みができるほか、医療機関での面会や緊急連絡先の指定などのサービスが利用可能となる。また、家族割引などを提供している民間企業もある。

 2人は県庁で申請した後、「関係がない人にとってきょうは普通の日だが、私たちの人生にとっては報われた時間になった」(中村さん)との思いから報道陣の取材に応じた。

 

 福祉関係の会社に勤める谷村さんと、現在大学院生の中村さんは国際協力機構(JICA)が派遣する青年海外協力隊の活動を通して知り合い、2018年4月から交際を始めた。

 2年後、2人は当時住んでいた名古屋市から岐阜市へ引っ越すためにマンションを探したが、男性同士で住むことを不動産会社に伝えると、通常は必要ない面会を求められるなど、差別や偏見と感じる場面があった。谷村さんは「その後も自分たちの関係を伝えることにハードルがあった。不安を抱えながらの家探しだった」と振り返る。

 緊急連絡先としての指定もできることから、谷村さんは「急な病気や事故に遭った時に連絡がないのはすごく不安になる。県が公的に認めてくれるのは心強い」と語り、「これで家族として暮らしていける」と笑顔を見せた。

県の担当者から宣誓書受領証を受け取る谷村祐樹さん(中央)と中村文亮さん=県庁

 中村さんは「悩んでいる人の居場所をつくりたい」と、神戸市内の大学院でLGBTQの理解者を見える化するシステムの構築を目指して研究している。谷村さんは「まだ法的に認められてないことはたくさんある。性別にとらわれない婚姻の実現に向け、これからも頑張りたい」と語った。

 昨年4月に同様の制度を始めた関市は8月31日、女性同士のカップルに宣誓書受領証を県内で初めて交付しており、県の制度では谷村さんと中村さんは第1号となった。県内では海津市も同様の制度を始めている。